半健康人から脱出!結(ゆい)通信No.188~190より  2008年4月

パニック障害の治り方 2008年春版


パニック障害の方が近頃はよく来院されています。
今回、紹介するのはお薬を使わず針灸だけで治った例です。

その1 練習量を2倍に増やしても大丈夫になりました

松田さんは20代前半の女性です。2007年の夏ごろから体調を崩されました。
職場のストレスから不眠に。時々どうしようもない不安感におそわれます。夜に何回も苦しくなります。電車に乗ったり、狭いところに行くと、心臓がドキドキしていてもたってもいられなくなります。

職場を退職し、2007年10月に結(ゆい)に来院されました。
一人では電車に乗れないので、お家の方といっしょに来院。ひどい肩こりで少しアトピー性皮膚炎です。朝はなかなか起きづらく、昼間は頭がぼんやりしていつも眠い。パニック障害に加え軽いうつ症状もあるようです。

3回ほど治療したら4回目からは一人で来院できるようになりました。

松田さんはフルート奏者です。治療を続けていると、練習量を2倍に増やしても肩がこったり、痛くなることがなくなりました。
以前は練習を続けたくても身体のほうでまいってしまう状態。今は思う存分フルートが吹けます。しっかり食べるようになりましたが、活動量も増えているので太ることはありません。
アトピー性皮膚炎も消えました。時々出てくるどうしようもない不安感は11月にはなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。朝もすっきりです。

電車に乗る距離もだんだんと増やし、各駅停車ばかりではなく、快速にも乗るようにして自信をつけていきました。
2008年3月からは毎日、地下鉄で満員電車に乗って新しい職場に通勤されています。電車に乗って、しんどくなることはなくなりました。

パニック障害の方の苦手な空間

パニック障害の方は「すぐに離脱できない空間」がいやなようです。
患者さんに聞くと各駅停車ならなんとか乗れるが、快速は苦手という方が多いですね。

自家用車の運転はできても電車はだめという方も多い。自家用車の方が狭いけれどいつでも止めて外に出ることができる安心感があるからです。だからすぐに車を止めることができない高速道路はこわい、渋滞にまきこまれたら最悪!とよく聞きます。
高速道路でも壁が高くて、狭い阪神高速のとくに環状線あたりがいやなようです。地下鉄の方が、高架を走る電車よりも苦手です。車内が混み合うのもだめ。

結(ゆい)の最寄り駅、阪急吹田を走る阪急千里線は比較的乗りやすく、JRの新快速はハードルが高いようです。
治療すれば「新快速で京都まで行けるようになりますよ」と患者さんに言うこともよくあります。

その2 一ヵ月後に新幹線に乗りたい!

中岡さんは20代の男性、3年ほど前から電車に乗るのが苦しくなりました。
パニック障害と診断されて薬を飲んでいましたが、なかなか改善せず4ヶ月前に薬をやめたそうです。職場は歩いて通える場所に変えています。

結(ゆい)にはお連れ合いといっしょに電車で来院されました。一人で電車に乗るのは不安なためです。2007年11月下旬でした。
「12月末に旅行がしたい、新幹線に乗りたい」とおっしゃいます。「一ヶ月で新幹線とは、ちょっとハードルが高いかな。安請け合いはできないが、とにかくやってみましょう」ということで治療を開始しました。
電車に乗れないほかにはたいした自覚症状もなく健康体でしたから回復は早いのではと予感しました。

2回目からは1人で来院できるようになり、12月末には新幹線の旅行もうまくいきました。
中岡さんはずいぶん喜んで、今度はいろんなところへ行きはじめました。
休日はすべて外出という勢い。鍼灸治療も中断。電車に自由に乗れるようになってうれしい気持ちはわかるのですが、疲れすぎるのでは心配していたら1月終わりに体調を崩されました。
でも治療したら、すぐに回復。
3月には「たまに不安感がでることはあるが苦しくなることはなくなった、コントロールできている」ということで治療を終了しました。

その3 胃カメラで異常は発見されないが

安田さんは30代前半の女性、夜になると苦しくなる、吐き気がしてげっぷが出てくる、不安感におそわれるという訴えです。
ひどい時は冷や汗がでて、頭痛がはじまる。そうならないように、吐き気がしてくると医者から処方された薬を飲んでいるということでした。胃カメラを飲んでもなんの異常も発見できないそうです。

結婚されていて2人の子どもさんがいらっしゃいます。最初のお子さんを出産された頃から、夜に苦しくなりはじめました。
フルタイムで仕事をされていて、いつも背中が痛いそうです。
電車に乗る必要がない地域でお暮らしです。
いつも車を使っているので、電車がしんどいかどうかはわからない。ただし高速道路で渋滞にあうと、不安感におそわれることはあるとのこと。

「胃腸を治療すれば治ります」と最初に申し上げました。
胃腸機能の衰弱が不安感を呼ぶという見方が中医学にはあります。胃腸機能を整えれば安田さんの不安感は治ると考えました。
中医学では心脾両虚(しんぴりょうきょ)といいます。

胃腸の弱い方は食べるとその後一時的にしんどくなります。
しんどくなるのがいやなために極端に少食になり、いよいよ体力を消耗していくという悪循環に陥ることがよくあるのです。
安田さんも食べると苦しくなるので、食べたり食べなかったりと不規則な食生活。きちんと食べるのは昼食だけです。あとはお菓子。

出産で体力を消耗され、その後仕事と育児でお疲れになり、体調を崩されたのでしょう。

2008年2月中旬から治療を始めました。週一回、鍼灸をして後は毎日、自宅で温灸をしてもらいました。一週間後には食欲がもどり、不安感が出なくなりました。
吐き気もなくなりました。きちんと食べることができるようになると背中の痛みもなくなりました。お薬も必要なくなり3月いっぱい治療して、終了しました。

じつは安田さんはすごく早食いです。
胃腸をいたわるためにも、ゆっくり食べてくださいとお願いしました。


※ 治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。

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