半健康人から脱出!

結(ゆい)通信No.55 ///////// 2003/10/19より

50号でうつ病について書いてから、何人かの読者の方と直接、お話ししました(読者=患者さんということも多いのです)精神的な症状というと、西洋薬を飲むか、カウンセリングを受けるかという選択しかないと思い込んでいる方が多いのには驚かされます。

精神疾患の薬の本格的な登場は1960年代から、カウンセリングも1900年代にフロイトが精神分析を始めてからというくらいの歴史しかありません。
それ以前から人は精神を病むことはあったし、治療もあったのです。

養生は精神をすこやかにすることにも通じます

東アジアでは漢方薬や針灸が大切な治療方法でしたし、現在もそのことに変わりはありません。

伝統的中国医学はもともと心と身体をいっしょに考えています。たとえば肺が調子悪くなると、うつうつとした憂いの感情や悲しみの感情にとらわれやすくなると考えます。こんこんと小さく咳を繰り返す患者さんが「どうもやる気がでない」といえば、肺の調子を治すことで、やる気も自然に出てくると考えるのです。
「どうもやる気がでない」「生きているのがいやになる」という患者さんに「部屋の冷房の温度を20度から26度程度に上げることができないかなあ」と助言したりします。

養生は精神をすこやかにすることにも通じます。
例えば、うつ病は 現在では心と身体を活性化するセロトニンやノルアドレナリンといった脳内神経伝達物質の減少によって引き起こされると考えられるようになりました。西洋医学流に心と身体をいっしょに考えるようになったのです。脳を含む身体全体の調整をすることが、神経伝達物質の分泌異常を調整していくことにつながります。

針灸で うつ病の症状が楽になっていく事実から、神経伝達物質の分泌異常を針灸治療が調整していると考えられます。ただ、ここに針をするとセロトニンが分泌されるといったつぼがあるわけではありません。
中国伝統医学の考え方で、いろいろ考えて治療しているだけです。別の道から山を登っているのです。

とことんひどくする前に、気楽に針灸を

抗うつ剤の場合は、最初の2~3週間は副作用だけがでてくる。薬が効いてくるのに2~3週間はかかるといわれています。

薬をやめていくのにも かなりの期間が必要です。新薬のSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)も「半年~2年くらいは続けることになると思います」と紹介されています。

ちょっとしんどい時に、気楽に治療を受けられ、気楽に治療をやめられる針灸が精神疾患で、もう少し活用されるようになればみんなもうちょっと楽になるのになあ、薬と併用してもいいし、とぼそぼそつぶやいています。

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