膝の水は抜くと くせになる?
結(ゆい)通信No.75 2004/05/09より
「膝の水は抜くとくせになる」とおっしゃる患者さんが結構いらっしゃいます。
実際はどうなのでしょう。
関節にたまる水は 膝に炎症があると出てくるものです。炎症が治らないといつまでも出てきます。整形外科で膝の水を抜いて、痛み止めを飲んで痛みを感じなくさせると 確かに一時的に楽にはなります。でも膝の炎症が治っているわけではないので、また動いていると、膝に水がたまります。痛み止めを飲んで痛みを感じなくなると 膝が悲鳴をあげているのにも気づかず動き回ります。炎症が悪化し 水がたまります。
これでは膝の炎症はいつまでたっても治りません。だから「膝の水は抜くとくせになる」といわれるのです。水を抜くこと自身がくせになるわけではありませんが、ひどくなったら水を抜いて 痛み止めを飲んで 治ったと錯覚してしまうことが、結局は長引かせているのです。一時的な楽を求めて、ごまかしを続けている状態です。
それに痛み止めは 鎮痛解熱剤です。じつは体温を下げる薬です。体温を下げると血行は悪くなり、身体の基礎代謝も下がります。身体が冷えるのです。膝痛の人は、たいてい医者に痩せなさいといわれています。体重を落とすためには、身体の基礎代謝を上げることが必要なのに、痛み止めを常用すると基礎代謝を下げ、痩せにくくなります。膝痛を予防するためには膝の周りの筋肉をつけることが大切ですが、血行が悪くなると 筋肉もつきにくくなります。血行が悪くなると筋肉も弱ってきます。鎮痛解熱剤には胃腸障害や腎障害、肝障害などの副作用もあります。
最近はインドメタシンなど鎮痛解熱剤と同じ薬を使った塗り薬、シップなども市販されています。一時的に使うのならとにかく、長期に漫然と使うのはお勧めできません。膝の血行を悪くするからです。飲まないでも皮膚から吸収されますから、胃腸障害や腎障害、肝障害などの副作用も同じです。飲み薬には神経質でも 貼薬には無頓着な方が多いですね。病院に行って山のようにシップをもらうのはいいのですが、インドメタシンなどを含むものかどうか 一度確認されたほうがいいでしょう。
針灸で治療していると、膝の水はゆっくりとひいていきます。水がほどほどに引くのと いっしょに膝の痛みやこわばりもとれていきます。膝の炎症を直接 治していくから水が再びたまることもありません。全身を調整し 膝の周りの筋肉も強くします。
炎症というと「冷やしたほうがいいのですか」とすぐに聞かれますが、そうでもありません。暖めたほうが楽になることも多いのです。暖めたほうが楽な時はあたためてください。

