半健康人から脱出!結(ゆい)通信No.230~232より 2010年1月
はじめに
ベストセラーを連発している石原結實医師の著作を読んでみたら、私の考えていることと共通点が多くて驚きました。体温を上げると健康になるという考え方は私と同じです。
日本人の平均体温は36.5度といわれていますが、最近は低体温の人が増えています。
石原結實医師によると「体温が1度下がると免疫力は30%以上低下し、一度上がると5~6倍強化される」「体温が1度下がると代謝は12%も落ちる」とのこと。
体温を上げると健康になる。中医学で表現すると、「陽の気がめぐれば、たいていの不調はよくなります」ということです。疲れにくくなります。みなさんも一度、自分の体温をはかってみてください。体温は一日のうちで変化しますから、何日間か同じ時間帯に何度かはかってみてください。きちんと36度をこえていますか。
お風呂に入ろう
体温を上げる一番、簡単な方法はシャワーでなくてお風呂に入ること。私は朝と夜、2回入浴するようにしています。陽の気をめぐらせ、代謝を高めます。
自宅で親の介護をしている60代の女性患者さんの体温も上がりました。最初に来院された時は、肩がこり、月に1回は片頭痛に苦しむといった状態でした。花粉症もあります。治療すると片頭痛も花粉症も治りました。肩こりも出にくくなりました。月に数回、ちょっとした不調を治しながら、健康維持の治療を続けています。1年近く治療していると昨年12月に体温が上がっていることに気づいたと教えていただきました。35度だったのが36.4度になっているとのこと。
免疫力があがったためか風邪もひきにくくなったそうです。
体温の変動
1日の体温は変化しています。一般に夜になると低くなり、昼間の活動中は高くなります。眠っている夜の2時~3時に一番下がり、朝にかけて上昇していきます。夕方6時ごろに一番高くなり、ゆっくりと下がっていきます。体温が下がると眠くなり、上がると頭がはっきりして活動的になります。夜、眠かったのにお風呂に入ったら目が冴えてしまったという経験のある方は多いはずです。
寝つきが悪いと訴える患者さんが、いつも眠る直前にお風呂に入る習慣だったというのはよくある話です。低体温の女性の患者さんに時々みられる生活パターンには以下のようなものがあります。
1. 仕事から帰宅すると疲れて身体が動かないので、とにかく寝てしまう。
2. 2時間ほど寝て、なんとか家事を始める。食事をして食事の後片付けを済まし、お風呂に入る。お風呂から上がってすぐに寝ようとしても眠れないため、夜更かしをしてしまう。
3. 睡眠不足と低体温から寝起きが悪く、午前中はぼおっとして過ごす。
こういう女性には帰宅直後は眠るのではなく、とにかくお風呂に入って体温を上げてみてくださいとお願いしています。うまくいく場合もあります。もちろん結(ゆい)で治療すれば低体温が改善され、仕事から帰ってもすぐに家事ができるようになるのですが。
入浴は眠る直前ではなく、2時間ぐらい前に済ませておき、体温が下がってきて眠気がくるとともに眠るのが理想的です。眠る直前に入る時はぬるめ(37~40度)にしてください。ぬるめの方がリラックスして眠りやすくなるためです。
仕事から帰宅すると疲れて身体が動かないために、お酒に頼るという方もいらっしゃいますが、下手するとキッチンドリンカーになってしまう危険性があります。気をつけてください。
朝がつらい場合
朝は首や肩が痛い、手がこわばる、腰が痛いけれど昼間になると改善してくるという方も、低体温が関係しています。腰や肩をもんだり、鍼をしたりするだけで治りがいまいちの場合は、お灸もしてくれる治療院をさがしてください。
昨年末に30代の男性が来院されました。「近くの鍼灸院にかかっているが首や腰の痛みやこりがちっともよくならない。昔、故郷の鍼灸院で鍼やお灸を受けたときはよくなったのに、そこは鍼しかしない。結(ゆい)はお灸もしてくれると聞いたので来ました」とのこと。
2回ほど鍼灸治療して年明けに様子を聞くと「すっかりよくなりました」とのこと。「半年、他に通ってもぱっとしなかったのが、2回で治るなんて、やっぱりお灸はいいですね」とおっしゃっていました。鍼に加え、温灸や生姜パックで陽気を補ったのが効いたようです。あとの残る熱いお灸ではなくやわらかい温灸で治療しました。
朝がつらい方は朝風呂に入るのもお勧めです。身体が温まって、胃腸もよく動くようになり、下痢や便秘もよくなります。
朝から冷たい牛乳やジュースを飲むのはやめて、温かい飲み物や汁物をとるようにしてください。生物時計のリズムを保つのも大切なので、いつも決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしてください。
温熱療法というがんの治療法
がんの治療法に温熱療法というやり方があります。
国立がんセンターのHPには以下のように書かれています。
温熱療法は、がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという性質を利用した、がんの治療法です。顔に発生した肉腫が丹毒(たんどく)による発熱で消失したことや、自然治癒したがんのうちおおよそ1/3で発熱していたという報告等、がんが治ることと発熱の間には、何らかの関連がありそうだと昔からいわれていました。
本格的な研究がはじまったのは、1960年代になってからです。現時点では研究段階の治療で、まだ標準治療とはいえません。この治療法の対象となるのは、通常の治療法では治すことが難しい局所進行がんや再発がんです。
がんに対する効果は41℃以上で得られますが、42.5℃以上で特に強くなることが知られています。
以上
温熱療法は標準治療とはなっていませんが、がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという事実は興味深いものです。石原結實医師によるとがん細胞は35度でいちばん増殖するとのこと。低体温を治すことはがん予防につながりそうです。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。



