生物時計、規則正しく暮らすことが、養生の基本
半健康人から脱出!結(ゆい)通信No.99 2005/10/20より
生物時計という言葉を聞いたことがありますか。人間には1日24時間をほぼ正確に刻むシステムが備わっています。この時計を狂わせないように大切にして規則正しく暮らすことが、養生への早道です。
伝統的中国医学、中医学では季節によって早寝早起きをすすめたり、早寝してもちょっとだけ遅く起きることをすすめたりと養生法が微妙に変化するのですが、いずれにせよ規則正しく暮らすことが、養生の基本と説いています。
ちなみに秋は「鶏のように、早寝早起きすべき」と説かれています。分子生物学の分野で生物時計の研究がすすみ、規則正しく暮らすことが、養生の基本という昔からの知恵が、科学的に実証されています。
朝の光でしゃきっと
熊本大学発生医学研究センター 粂 和彦(くめかずひこ)助教授 によると「明け方から午前中の時間帯に光が当たると、生物時計をすすませる効果があります。外部=朝7時、生物時計=朝7時だとします。ここで、強い光に10分当たって生物時計を1時間、早めるとすると、外部=朝7時10分、生物時計=朝8時10分となり、なんと、10分で1時間10分、体中の時計が進むことにより、起きてから10分しか経っていないのに、もう体がばりばり動ける状態になります。」というのです。
夕方の光は生物時計を遅らせる働きがあり、昼間の光では影響はありません。つまり朝、普通に起きたほうが、しゃきっとしてすぐに働けるようになるけれど、昼前におきたのではすぐに活動状態に入れないということです。朝の光をあびない状態、昼前に起きて、夕方の光だけをあびると生物時計が遅くなります。当然 眠くなる時間も遅れます。日曜日、昼前に起きて、睡眠時間は足りているはずなのになんだか身体がだるいという経験をお持ちの方は多いはず。生物時計が朝の光で進まないので、寝起きがわるいのです。「睡眠時間は十分なはずなのに、なんとなくダルイ」という読者の方で、遅く起きて、遅く寝るという習慣の方はいらっしゃいませんか。
12時前には寝る
寝る時間、起きる時間がばらばらという場合も当然、生物時間が狂いやすくなります。生物時間が眠る時間まで来ていないのに、無理やり眠ろうとしてもうまくはいきません。逆に眠い時に眠らないで我慢してしまい、眠気がなくなった頃に無理やり眠ろうとして、「眠れない、不眠だ」と訴えられる場合もあります。鍼灸の臨床ではこっちのほうが多いですね。
「朝起きてもぼおっとして、午前中がつらい」「集中力がない」「首や肩がこる」「身体がだるい」「眠れない。寝つきが悪い」という女性を最近、治療しました。2回ほどの治療で、「眠れない。寝つきが悪い」という症状以外は治りました。あらためて聞くと「深夜12時ごろ、猛烈に眠くなるのだけれど、やることがあるからがまんして起きている。午前2時3時に眠ろうとしたら、寝つきが悪い」とおっしゃるのです。「やることを朝に回してもらえませんか。都合に身体をあわせるのでなく、身体に都合をあわせるように工夫していただけませんか」とお願いしたところです。12時前に寝たほうが、寝つきはいいです。
伝統的中国医学、中医学では夜の12時を過ぎると陽の気が起こり始めるといわれています。陰の気が満ちている12時前の方が安らかに眠りにつけます



