2003年12月の養生法 キーワードは湿邪(しつじゃ)
結(ゆい)通信No.62 2003/12/11より
キーワードは湿邪(しつじゃ)
今年の秋から冬にかけての、身体にあらわれやすい不調について書いてみます。ちょっと思い当たるふしのある読者の方がいらっしゃるかもしれません。キーワードは体内の余分な水分=湿邪(しつじゃ)です。
今年は春から雨の多い天気が続きました。雨が多く、湿度が高いと、身体も影響を受けます。外に水が多いと、中の水もふえます。体内の余分な水分(湿邪)が増え、気の流れる道、経絡(けいらく)をつまらせ、気のめぐりが悪くなるのです。おもい、だるい、こるといった感覚が強まります。
水が熱をもつ?
やっと寒くなってきましたが、秋から冬にかけては気温があまり下がらず、湿邪が湿鬱化熱(しつうつかねつ)=とどこおった湿邪が熱をもつといったことがよくおこるようになりました。
水が熱をもつというのは一見 変な考え方ですが、たとえば湿気の多いところは皮膚病、皮膚炎がおきやすいといった現実からイメージしてください。赤みをおびた皮膚炎を中国伝統医学では湿邪と熱が、結びついたものと考えます。大小便をよく出るようにして水と熱をきちんと身体から出して皮膚炎が治るのを助ける治療法もあるくらいです。水が熱をもつといっても原因である余分な水をきちんと出せば熱をなくせるわけで、身体を活性化させるためにお灸でつぼを暖めたりもします。
冷えのぼせ、頭痛
熱は上のほうに上がりやすいので、頭が熱をもちやすく、冷えのぼせがおきやすいようです(氷で冷やせばいいというものではありません)こうなると頭痛、歯痛、めまい、耳鳴り、目のかすみ、目の奥の痛み、不眠などが出てきます。
風邪の後、しんどい咳が続くといった患者さんもよくみられました。痰は少なく黄色い色をしています。気管支炎です。中国伝統医学ではこんなとき、肺に熱があるといいます。夜に咳き込んで眠れないことが多く患者さんにはつらい症状です。もちろん針灸できちんと治療できます。
湿邪は下に
湿邪がおなかにくると食欲不振、倦怠感、軟便下痢となります。風邪のウイルスが胃腸にきて、胃腸炎をおこすといったこともよくみられます。 湿邪は 水ですから下にたまりやすく、腰から下にたまると腰痛、坐骨神経痛、膝関節痛、下肢のむくみとなります。今年もいろいろと治療しました。
一番の予防は冷食を控えること
読者の皆さんが、普通の生活の中で体内の余分な水分=湿邪(しつじゃ)をためない秘訣はなんでしょうか。ずばり冷食、冷たいもの、身体を冷やすものを控えることです。生ものも身体を冷やしますから、お刺身はほどほどになさってください。生野菜のサラダもほどほどに。温野菜をこころがけてください。外食のときは、出される水に氷を入れないように注文してください。
2003年ももう少し、なにかと気ぜわしい毎日ですが、お体 お気をつけください。

