あんな咳 こんな咳 鍼灸でなおりました。
咳がなかなか治らなくて 鍼灸院にいこうと思われる方はあまりいらっしゃらないでしょう。でも当院には咳が長引いたら 来院される患者が結構 いらっしゃいます。 あんな咳 こんな咳 鍼灸でなおりましたということになるのかな。
一般には ひどい咳でもけっこう我慢されている方が多いのには驚きます。
咳は 身体の不調のシグナルです。咳なんか気にしないという方も時々いらっしゃいますが、咳が我慢できるかどうかという話ではないのです。
咳が続いているということは多くの場合 肺が弱っていっているのです。そして別の悪い状態の呼び水になります。
3例ほど紹介します。
肺気不宣(はいきふせん)の場合 鈴木(仮名)さん。
三十代後半 の男性の方です。2000年4月にいらっしゃいました。
咳がとまらないということで来院されました。
症状は
咳がとまらない。咳は朝がひどいが仕事中も出る。バイクで外回りをしている方です。
咳は 半月ほど前、3月終わりから出ていた。
じつはここ2年ほど、3月終わりから6月頃まで咳が続く。7月になって暑くなると咳がとまる。痰はでない。5時頃、朝早く目が覚める。眠りが浅く、疲れがとれない。という訴えでした。
これは中医学でいう肺気不宣(はいきふせん)です。 肺の働きが弱くなっているのです。 4月中旬から月末まで 5回 鍼灸治療して 咳は出なくなりました。鈴木(仮名)さんは、普段は6月頃まで咳が続くのですが、治療してすっきり治りました。
肺の気陰両虚(きいんりょうきょ)の場合 清水さん(仮名)は61歳の女性。
2000年3月28日にいらっしゃいました。
ぎっくり腰でいらっしゃいました。
左の腰痛です。昨日から前に曲げても、そらしても痛い。じつは二ヶ月ほど咳が続いているとのこと。2年前から右の耳下腺が原因不明で腫れて膿がでる。そのたびに発熱する。抗生物質をのむが、そのたびに食欲不振となるということでした。
ぎっくり腰で来られたと思ったら、ベットでもずっと咳をしていらっしゃいます。聞いてみたら、二ヶ月ほど咳が続いているそうです。身体は非常に痩せていらっしゃいます。頬もこけているし、肌もカサカサしています。 3月31日 まで3回 治療し ぎっくり腰は 治りました。
この方は 肺の気陰両虚(きいんりょうきょ)という状態で、たんに肺が 弱っているというよりは もう少しよくない状態です。
消化器系や腎 膀胱系などいろんなところが弱っています。身体のバランスも悪くて 上のほうに 中医学でいうところの虚熱(きょねつ)、あまり身体によく作用しない熱がありこのため、耳下腺が腫れるように見受けられました(つまり虚熱をなくせば耳下腺は腫れなくなると予想できます)。
抗生物質を使うたびに お腹を壊し、食欲不振となるというのも考えものです。とくにお年寄りにとってはきちんと食べて 排泄することが大事。抗生物質を使うたびにお腹を壊しているのでは なんのために薬を使っているのかよくわかりません。耳下腺が腫れるたびにだんだん身体が弱っていくというふうにも見受けられました。
そんな状態でも4月3日から13日まで4回治療し 咳も治りました。よかったと安心していたら今度は、5月9日にまた咳が出始めたということで来院されました。
電車の冷房がきつかったのと、お見舞いで行った病院で冷房が寒かったのが原因で 風邪をひかれたようでした。一回の治療で治りましたが 、再び外出され 強い冷房にあい、再び風邪をひかれ16日に来院されました。また治療して 治りましたが、今度は「遊びに行くときは冷房対策に上着を持っていって下さい」とお願いしておきました。
3番目は野川さん(仮名) 57歳 女性の方です。
もともと花粉症あり。右腕のしびれも時々あり。顔が熱く、下肢冷えることが多いということで治療されていました。
2000年5月6日は、治療室に入ってきた時から咳が止まらない状態でした。問診すると事故で電車からでた黒煙を吸ってから咳が出るそうです。5月2日に電車の車輌故障で立ち往生している時に電車から黒煙が発生し、30分ほど黒煙を吸ったというのです。5月3日からひどい咳がではじめたとのこと。
ベットに横になると 咳がひどくなるからこういう場合は座った状態で治療します。
鍼をうって、そのままの状態にしておくと、10分ぐらいで咳は止まりました。そのまま30分治療を続けました。
この方の場合は 一回の治療で 咳の再発はなくなりました。急性の気管支炎のような状態だったのでしょう。



