メールマガジン結(ゆい)通信 第48号 2003/09/15より
伝統医学の知識のある医者の見分け方
中国伝統医学では針灸と漢方薬は親戚のようなものです。診断法や基本的な考え方も同じ。薬を使うのか、針灸を用いるかの違いがあるだけです。中国伝統医学の立場で治療する私からみると日本の漢方薬の使い方はちょっと変?なのです。
不思議な漢方薬の治療
中国伝統医学は東アジア各地に伝わり、独特の呼び名となっています。日本では漢方という呼び名が一般的。漢(中国のある王朝の名前)の国から伝来したから漢方です。
韓国では韓医学、中国から伝来した医学なのですが、中国と陸続きの国だけにあえて独自性を主張しようとするのでしょうか、韓医学と呼びます。
伝統医学で治療する場合、伝統医学の知識が必要なのは当たり前のこと。西洋医学とは違うので、資格も中国や韓国では別れています。中国では中医師、韓国では韓医師という資格が西洋医学の医師とは別に存在しています。
ところが日本では、医師という資格があるだけです。中国伝統医学や漢方のカリキュラムは日本の医学部にほとん ど存在しません。でも一部の漢方薬には保険が認められており、多くの医師は中国伝統医学や漢方の知識のないままに漢方薬を患者さんに処方しています。これが現実です。一時 小柴胡湯(しょうさいことう)の副作用などがニュースになったことがありましたが、知識のないまま漢方薬を使っていれば、問題がおきるのは当たり前です。
伝統医学の知識のある医者の見分け方
独学で勉強されたり、中国へ留学されたりして中国伝統医学や漢方の知識をきちんと身につけていらっしゃる医師の方々も少数ながらいらっしゃいます。私も何人かのお医者さんとお付き合いしています。きちんとした中国伝統医学や漢方の知識をもつ先生の見分け方は簡単です。
- 患者さんの脈をきちんととる先生。人差し指、中指、薬指を使って。子供さんの場合は人差し指だけということもありますが、たいていは3本の指を使います。3本の指それぞれで診ているのです。脈は複雑なもので、脈の速さだけを診ているわけではありません。
- 舌を診る先生。舌をとおして身体全体の状態を診ます。胃の具合を診ているだけではありません。時として舌をきちんと診るために診断中、何回か舌を出すようお願いされます。舌を出したままにしておくと充血して色が変わりますから、何回かに分けてみるのです。
- きちんと患者さんの方を向いて話す先生が多い。伝統医学は病気を治していく上で、病気よりも人を診ます。同じ胃炎でも、山田さんの胃炎と鈴木さんの胃炎は 治し方が違うのです。患者さんの状態をきちんとつかもうと考えますから、患者さん自身とコミュニケーションをとることを大切と考えるのです。患者さんの話し方を観察し、顔のどの部分に赤みがありどの部分に青みや黒みがあるかといったこともしっかり診ています(本当は素顔を拝見したいのですが、女性の患者さんにそこまでは要求しません)
漢方薬をきちんと飲みたいと思っていらっしゃる方は以上を参考に、医者や薬局をあたってみてください。薬剤師 さんにも、中国伝統医学や漢方の知識をきちんと持つ方はいらっしゃいます。
自分の判断だけで たとえばネット通販で漢方薬を買おうというのはどうも賛成できません。合わない薬は身体によくないからです。

