20代前半の女性が付き添いの方といっしょに来院されました。1年前から声が出なくなり心因性失声症と診断され精神科で治療中です。
会話はできませんが、笑い声やびっくりした時の声はでます。心因性失声症で時々みられる症状です。身体もだるく、吐き気もあります。
1年前に恋人とケンカになり、気がつくと声が出なくなっていました。
心因性失声症はストレスや心理的ショックが原因といわれていますが、伝統的中医学では経絡、気の流れがつまったり逆流したものと考えます。気の流れが詰まっているのですから、通せば治ります。世間では長くかかると思われていますが、きちんと鍼灸治療すれば、早く治ります。
今回の女性も気の流れが逆流しているため、吐き気があります。まず仰向けになっていただき、気の流れの逆流を直す治療をしました。吐き気がなくなったのを確認して、失声症の特効穴に鍼をして声を出してもらいました。小声ですが声が出るようになりました。
3日後に2回目の治療。今度は愛読している雑誌を持参してもらい、鍼をしたまま朗読してもらいます。だんだんと声が大きくなりました。
3回目の治療で治療終了。はっきりした声が出て、身体のだるさもありません。
じつはこの患者さんはパキシルという抗うつ薬、選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)を処方されていました。声が出るようになったので精神科で、薬を減らしていこうという話になっていました。もし減薬する時に身体の不調が出たら再度 来院くださいとお話して治療を終わりました。
3回めの治療終了時に、アンケートを書いていただきました。
アンケートでは
◆非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。
◆治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。
という回答をいただき以下のようなコメントもいただきました。
◆コメント
こんなに早く治ると思わなかったです。来て良かったです。ありがとうございました。
コメント以上
◆自筆アンケートは以下から
※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。