身体の前面の気の流れの異常から起こると考えています。意外と簡単に治る場合もあります。脳のバグを鍼灸のツボの刺激で治していくようなものと考えています。関連して以下の研究を発表しています。
◆2012年6月に専門誌 中医臨床に「督脉と奇経を組み合わせたうつ病、パニック障害、双極性障害の治療」を発表。
◆「鍼灸がちゃんと効いたとき、脳はどうなっているのか NIRSで調べてみました」 副題 不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測 酒谷薫 日本大学工学部・次世代工学技術研究センター統合生体医療工学研究室教授、医学部・脳神経外科(兼担)との共同研究でアメリカ国立医学図書館の医学データベース「パブメド(Pubmed)」に2016年1月に収録されました。
◆2015年10月週刊『あはきワールド』というネット雑誌に「思考鍼 理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)を治す鍼」を発表。
「全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんの治療 PMSも」の吉本(仮名)さんの数ヵ月後の様子を知るためにアンケート出していたのが返ってきました。
☆数ヵ月後も元気でした!PMSで全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんのその後
結(ゆい)を卒業された後も、吉本さんは順調です。
吉本さんは、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとんでいましたが、2ヶ月弱の治療で卒業されました。
/acupuncture/depression/
◆鍼灸治療の効果を
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。と回答され「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。」と回答されています。
◆コメント欄には以下のように書かれていました。
先生へ お手紙ありがとうございます。中略 先生の所に初めて行った時のような、どうしようも手に負えない不安感はなくなりました。ありがとうございます。治療中の先生の言葉にも何度もはげまされたり、心のモヤモヤ感がなくなりました。今は漢方やセルフケアで保てています。心というのは、ゆれうごくものなんですね。コメント以上
当時、仕事でスピーチする機会があるというのでスピーチの練習の仕方を教えたことを思い出しました。まあ私の失敗談中心のバカ話だったのですが。若い方が自信を回復していく姿をみるのは嬉しいものです。
中医学では頭がふらふらし気が小さく驚きやすく不眠となり、ため息ばかり出るような状態、物事についてさんざん考え思いをめぐらしても決断のつかない状態や不安にさいなまれる状態を胆虚(たんきょ)と診断し治療しています。
吉本(仮名)さんは20代の女性です。4ヶ月前、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。漢方薬は処方されていましたが、なかなか効かないそうです。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとびます。
3週間6回ほど治療したところ、不安感は消え情緒も落ち着きました。仕事にも集中できるようになりました。この段階でアンケートをいただきました。
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。治療前の苦痛を10とすれば今は3である。
◆コメント
右半身の硬さは少し残りますが、何もないことに涙がでたり、怖いことを思い出すのが減り、情緒が安定してきてうれしいです。情緒が不安定なのは自分の努力や考え方の問題のように思っていましたが、間違ってカイロがつながってしまった状態と言われ初めての治療の次の日、意味のわからない不安や右のモヤモヤがとれておどろきました。ありがとうございます。
※「間違ってカイロがつながってしまった状態」というのは「不安でもないことに不安を感じてしまうのは、脳の中である刺激、情報がまちがって伝わってしまう状態になっています。いわばバグです。鍼灸は脳のバグを修正できます」と説明したことをさしています(藤井)
その後、1ヶ月治療して右半身の違和感もなくなり仕事にも集中できるようになり、不安感も全然 感じなくなり卒業していかれました。もともと月経前症候群(PMS)のある方でしたが、こちらの症状もでなくなっていました。
吉本(仮名)さんは幼い頃から集中できず、考えがコロコロ変わる状態だったそうで、注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑われたといいます。
今回は全般性不安障害(GAD)のような状態でした。これは胆虚(たんきょ)です。
何事にも自信のもてない方でしたが、仕事のやり方を少し助言したところ、助言どおり素直にやってくださり仕事がうまくいきました。「うまくいきました!」と嬉しそうに報告してくださいました。いっぱいいっぱいほめました。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
2014年1月16日掲載
陣内(仮名)さんは30代後半の女性、20XX年の10月にいらっしゃいました。右耳が疲れるとポコポコいうそうです。首もこります。なんだか気持ちが落ち着かず、ちょっとしたことで不安になります。疲れやすく、夜も眠りが浅いそうです。
陣内さんは幼稚園児のお子さんがいらっしゃいます。やんちゃでどうしたらいいかわからないそうです。子育てで悩んでいらっしゃいました。
2回治療したら、首のこりもとれ、よく眠れるようになりました。耳鳴や耳の違和感もなくなりました。子育ての悩みは続くけれど、妙な不安感がなくなったようでした。
手足が冷たかったのですが、手の冷えはとれました。
この段階でアンケートをいただきました。
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は3である。
☆陣内さんのコメント
治療に来させていただくのが楽しみです。張り詰める感じがとても少なくなってきました。今後ともよろしくお願いします。
陣内さんはその後も治療を続け、ずいぶん元気になりました。3ヵ月後も耳鳴や不安感の再発のないことを確認しています。ただ子育ての悩みは続くようです。
桑原(仮名)さんは40代前半の働き盛り、終電で帰宅する毎日です。めまいと動悸、不安感に苦しんでいらっしゃいました。5年前に突然めまいがして、動悸もひどくなり救急車で病院に。精密検査しても身体に異常はなく、メニエール病の疑いがあるということで耳鼻科に1年間通いましたが、一向によくなりません。今度は心療内科でSSRI等の抗うつ剤を処方されることになりましたが、やはりめまいは治りません。本人いわく「いつも震度1程度の揺れが続いている。座っていると左右に揺れる、歩き始めると上下に揺れる。」といった状態です。不安感に襲われ、頻繁に頓服薬を飲みます。別のところで鍼灸治療を3ヶ月ほど続けたが何の変化もなかったとのことでした。
週1回の治療を約半年弱、18回続け、ほぼ治りました。途中に花粉症の治療もして、こちらも治りました。アンケートの回答には「通院当初に比べると、SSRIや安定剤もほぼ飲まなくても生活できるようになりました。もちろん、めまいや不安感、過呼吸もおこっていません。精神科神経科に随分長く通っていましたが先生に治療していただいたおかげで劇的に回復することができました。」とうれしい言葉をいただきました。
写真は香川(仮名)さんの自筆のコメント
香川(仮名)さんは30代後半の会社員の女性です。PC作業中心の仕事、2ヶ月前に続けてパニック障害の発作をおこしました。1度目は通勤電車の中で気分が悪くなり、自宅へ戻りました。2回目は昼食の後、気分が悪くなり早退。それ以来、昼食が食べられない状態が続くようになりました。頭がふらつき、首もこります。2回ほど治療すると食欲が出て、食事がおいしく感じるようになってきました。週1回の治療を3回ほど続けると、首も楽になり、ふらつきも消えました。首がこってくると調子が悪くなるということなので、週1回ほどの治療を1年ほど続け、会社の移転を契機に卒業していかれました。
アンケートには「よい効果があった。少し苦痛があるがずいぶん楽になった。」
と回答され、「疲れが出るとふらつきが出るくらいです。」とコメントされていました。
「症状が落ち着いていますが、また悪化しそうな時にはすぐに通院しようと考えております。」とも書かれていました。
「悪くなったら結(ゆい)さんに行けばなんとかなる。そう考えると不安がなくなる。」という声はよく聞きます。世の中、まったく不安のない状態というのはそうそうあるものではありません。3.11以降は特にそうでしょう。パニック障害になった患者さんは、正常範囲ともいえる不安と病的不安の区別がつきにくくなっていらっしゃるようです。結(ゆい)さんに行けばなんとかなるという思いが不安解消に役立っているならば治療家としてはうれしい限りです。
陣内貴子(仮名)さんは40代の女性です。4年間パニック障害に苦しまれた末、当院にいらっしゃいました。最初の内は家人に付き添ってもらえないと来院できない状況でしたが、そのうち1人でも大丈夫になりました。4ヶ月ほどで不安感はなくなりましたが、腰痛と身体の不定愁訴を改善する治療をその後も続け来院から約10ヶ月ほどで職場復帰されました。
パニック障害の方が近頃はよく来院されています。今回、紹介するのはお薬を使わず針灸だけで治った例です。
混んだ電車に乗るとドキドキして息苦しくなる、胸が詰まってむかつくという症状でした。
30代のダンス教師の女性の早川さん(仮名)。
夏頃から発症、来院されたのは2006年秋10月頃でした。電車に乗るのも怖いが、針もこわいといった様子でとにかくいろんなものにこわがっていらっしゃる印象でした。
5~6回の治療で11月頃には朝の混んだ電車に乗れるようになりました。
最初にパニックになった「深夜の酔ったおじさんがたくさん乗っている混んだ地下鉄」にはまだ乗る気がしないということでしたが、たいていの電車には乗れるようになりました。
針灸治療の特色はパニック障害だけを治すのでなく、患者さんのつらいところをきちんと治していくところにあります。パニック障害だけがつらいという方はまずいらっしゃいません。ある方はひどい肩こり頭痛、ある方はひどい腰痛だったりします。
早川さんの場合は消化器系が弱く、便秘気味なこと。疲れやすいこと。伝統的中医学では脾気虚(ひききょ)といいます。
ダンスは激しい運動です。発表会前などにダンスの練習が激しくなると、疲れて食べられなくなるのです。ダンスを続ける体力がなくなってしまいます。
パニック障害といっしょに脾気虚(ひききょ)も治していきました。毎日便通があるようになり、激しいダンスレッスンにも耐えられるようになりました。疲れなくなりました。
脾気虚(ひききょ)を治すこととパニック障害を治すことは重なる部分が多いのです。
2007年5月には「深夜の酔ったおじさんがたくさん乗っている混んだ地下鉄」に乗っても大丈夫でした。
私はパニック障害の治療のために眼の周りのつぼを使います。眼の下の黒っぽいくまも消えたので、これも喜ばれました。
パニック障害と消化器系のトラブルは重なる場合が多いのです。
きちんと食べることを大切にしてください。
暑くなってきましたが冷たいものはほどほどになさってください。