線維筋痛症は「原因不明の全身の疼痛、不眠、うつ病のなどの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気」とされています。原因は不明です。重い症状から、比較的軽い症状の方までいろいろです。慢性的に続く痛みがつらい病気です。もちろん鍼灸の得意とする分野です。
はじめに
線維筋痛症という病名を聞かれたことがありますか。日本線維筋痛症学会によると「原因不明の全身の疼痛、不眠、うつ病のなどの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気」とされています。原因は不明です。重い症状から、比較的軽い症状の方までいろいろです。なんといっても慢性的に続く痛みがつらい病気です。もちろん鍼灸の得意とする分野です。
動き続ける患者さん
この前、治療した60代の女性もよくなりました。仕事はなんとかこなしている状態でしたが、朝から全身が痛いという訴えです。仕事は清掃。仕事をしている時は痛みを意識しないですむが、昼休み等、休憩時間になると痛みを感じ始めるとのこと。「痛みを感じたくないために休み時間も動き回っている。休日はじっとしているとずっと痛いから、なにか用事をみつけては動き続けている」とおっしゃいます。痛み始めて3年がたっていました。
鍼灸を1回すると休憩時間に出てくる痛みが、少し和らぎました。ここで患者さんにお願いしました。「休憩時間は何もしないで休んでください。休日もできるだけゆっくり身体を休めてください。最初は痛んでもしばらくすると、痛くなくなるはずです。鍼灸で痛みをとりますから、休養してください。疲労しすぎると、痛みがとれにくくなります」と。
休めるようになったら、よくなってきた
週一回ほど治療しながら1ヶ月をすぎると休憩時間の痛みはなくなりました。2ヶ月たつと全身が痛かったのが、左の腕や肩、胸付近だけに痛みの範囲が狭まってきました。休日も休むように心がけたら、休んだ翌日は痛みも軽くなることが患者さん自身でわかるようになってきました。3ヶ月たつと左の腕や肩、胸付近の痛みも弱くなってきました。休日の痛みはほとんどありません。仕事をすればその後、多少は痛むけれど3年前の痛みはじめる前にもどったようだということで治療を休止しました。
痛むからまぎらわすために動くという患者さんは線維筋痛症に限らずいらっしゃいます。適切な休養や睡眠をとらずに動き続けると、痛みが慢性化し治りにくくなる時もあるのでご注意ください。じつは患者さんが動き続けるのは気持ちが落ち着かなくなり、イライラしてゆっくり休めなくなるという面もあるのです。鍼灸は痛みだけでなく、そういう精神状態もいっしょに治しているのです。
線維筋痛症には是非、鍼灸をお試しください。いろんな痛みに鍼灸はよく効きます。
休日、家にいるとだるくて仕方がないから外出ばかりしているという方も蓄積疲労にお気をつけください。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
☆線維筋痛症と診断された女子の痛みがきれいになくなりました
篠原(仮名)さんは10代前半の女の子です。身体のあちこちが痛いと訴えて来院されました。某大学病院に通院していてそこでは「線維筋痛症かもしれない」といわれています。
線維筋痛症は日本線維筋痛症学会によると「原因不明の全身の疼痛、不眠、うつ病のなどの精神神経症状、過敏性大腸炎、膀胱炎などの症状を主症状とする病気」とされています。マスコミでは「線維筋痛症の患者さんが、いろいろ医者をあたってみたが、どこでもうまくいかず線維筋痛症の専門医に行ってやっと救われた。」というたぐいの物語が流されることがありますが、あれは半分はウソです。たしかに患者さんの症状は改善したかもしれませんが、線維筋痛症の専門医といっても特別な治療法があるわけではありません。お医者さんごとに工夫しながらやっているというのが実態です。
針灸は線維筋痛症によく効きます。線維筋痛症診療ガイドラインでもエビデンスⅡa 推奨度B(推奨度Aの治療法はないのです)と最高位になっています。
篠原(仮名)さんは9月から治療開始、第1回目の治療のあとはすぐに眠くなり、いつもより長く眠りました。そして大量の排便。病的な緊張状態がほぐれ身体の内部が動きだしました。3回ほど治療すると膝以外の関節の痛みはほぼなくなってきました。2ヶ月で痛みはなくなり、お母さんからアンケートの回答をいただきました。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。