症状と治療のお話し : 脳血管障害後遺症

脳卒中、脳血管障害の後遺症の針灸治療はできるだけ早く

結(ゆい)通信No.158  2007/05/22より

2007年5月19日に関西中医鍼灸研究会で脳血管障害の後遺症の治療法、醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)の講義と実技講習をしたのですが、リハビリに針灸が効くということをメルマガでお伝えしていないなということに気がつきました。

脳卒中、脳血管障害の後遺症の針灸治療はできるだけ早く

脳卒中の後の後遺症、手が動かない、足が動かない、しゃべりにくい等々の治療に針灸はよく効きます。
ただ日本では病院のリハビリに針灸が取り入れられている所は非常に少ないのです。

先日の関西中医鍼灸研究会には大阪のある公立病院のリハビリテーション科の医師が参加され、熱心に学んでいらっしゃいましたが、こういう先生は本当に少ないのです。
そのためリハビリに針灸が効くということも日本ではほとんど知られていません。

結(ゆい)針灸整骨院にも脳卒中、脳血管障害の後遺症の治療に来院されますが、ほとんどの場合、発作をおこして針灸治療を開始するまでの期間が長すぎるのです。
「病院でいろいろリハビリをやったがいまひとつ治らない」「病院のリハビリも終わってしまった」「針灸でなんとかならないだろうか」というような具合です。
それだけ期間が開いていても一定の治療効果は上がるのですが、治療開始が早ければ早いほどきちんと効くのもまた事実です。

脳卒中、脳血管障害の後遺症の針灸治療はできるだけ早く、できれば3ヶ月以内に、遅くても半年以内に開始してください。

脳卒中後遺症の鍼灸治療

結(ゆい)通信No.133 2006/09/03より

結(ゆい)通信No.135 2006/09/24より

脳血管障害後遺症に醒脳開竅法

醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)という脳血管障害、脳卒中後遺症の鍼灸治療法があります。中国の天津中医薬大学で開発されたやり方で、約20年ほど前に日本に紹介されました。私も当時、一生懸命修得しました。固まってしまった手の指が、すぐに動くようになったり、固まって動かない肩やひじが動くようになったりします。よく効く治療法ですが、太い鍼を自在に操る技術が必要です。

吹田で開業し「街の治療家」となってからは醒脳開竅法を活用する機会はめっきり減ってしまいました。発症して半年ほどの間が一番、回復する時期なのですが、この時期に脳卒中後遺症の患者さんが街の治療院を訪れることはまずないからです。鍼灸が脳血管障害、脳卒中後遺症に効くという事実も日本では、あまり知られていません。
入院中は仕方がないですが、退院してリハビリに通うようになったら是非、鍼灸もリハビリのひとつに加えてほしいものです。劇的な効果が見込めます。醒脳開竅法の開始は早ければ早いほど効きます。

牧田病院の取り組み

8月の日本中医学交流会学術大会で私とともに講師として招聘されていた植松先生が、醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)の治療例を報告されていたのを、ずいぶん懐かしい想いで聞きました。「懐かしがってばかりいても仕方がない。効く治療はきちんとみなさんに伝えなければ」という気持ちになり、このメルマガを書く次第となったわけです。東京で当時、植松先生と同じ勉強会に参加していました。 現在、植松先生は牧田総合病院付属牧田中医クリニックの中医鍼灸部長。鍼灸を治療に取り入れている総合病院はとても少なく、貴重な存在です。病院だから醒脳開竅法も活用できるというわけです。 牧田総合病院付属牧田中医クリニックのURLは以下です。

http://www.makita-hosp.or.jp/cyui/

脳開竅法(せいのうかいきょうほう)は脳血管障害、脳卒中後遺症の治療だけでなく、別の原因で動かなくなった肩や肘や手の指を動くようにする治療にも応用できます。 あきらないでお試しください。