月経前症候群や生理不順など様々な症状をきちんと治していきます。 便秘も治ります。ほとんどの女性の便秘は機能低下 しっかり腸が動いていないからです。ちゃんと腸が動くようにしてあげると快食快便となります。
言いづらいことはメールやメモでおっしゃってください。 カンジタや陰部のかゆみ等は自宅での温灸治療の指導と合わせて治しています。 不妊に鍼灸は有効ですが まずは卵管が通じているかどうかの検査をして鍼灸においでください。
不妊治療は精神的にも疲れます。気持ちも落ち込みます。抑うつ状態に近くなります。鍼灸はそこもケアできます。
50代後半の女性患者さんのお話です。
自律神経の乱れによる疾患が多く、調子が悪くなったら結(ゆい)にいらっしゃいます。1時間半くらい通院にかかるところにお住まいのため 当初は近くの鍼灸院に行かれるのですが、治らないときは当院にいらっしゃいます。
☆胸の違和感は3回でなくなりました
○○年1月に来院されました。胸が「ころんころん」となる感じがする。胸に違和感があるという訴えです。
10月頃から2ヶ月間 食欲がなくなり、同時に乗り物酔いしやすくなりました。日によって身体に力が入らないことがあります。
この時は1週間に3回治療して治りました。3回目に以下のアンケートをいただきました。
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるが ずいぶん楽になった。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は3であるという回答があり以下のようにコメントされました。
体のしんどさがずいぶんとれてきました。(院長から)もう1回の通院で良いのではと言われましたがもう少し 10日に一回ぐらい来させていただきたいです。元気になれば 月1ぐらいでお願いしたいです。アンケート以上
実際はこれで治療を終わり、次に来院されたのは1年後の9月でした。
☆暑くなると体温も上がってしまい、身体がしんどい
8月初めに西日を20分くらい浴びてから、体温が1度 平熱より高い状態が続くようになった。近くの鍼灸院に4回ほど行ったら、暑い時には体温が高く涼しい時は平熱にもどるといった状態になったが、そこからなかなか治らないので当院を思い出したとのことでした。自律神経の異常です。庭を掃くとかちょっとした作業で身体がすごくしんどいという訴えでした。
今度は瀉熱(しゃねつ)という過剰な熱をとる治療をしたところ1週間に2回の治療で治りました。暑い時も大丈夫になり作業もこなせるようになりました。
じつはこの女性は5年ほど前から手のひらが熱く感じるようになり、入浴するのが苦痛となりシャワーだけの生活を続けていらっしゃいます。寝つきもよくないようです。
もう少し継続的に治療をさせていただければ、そういった状態も治せますよと提案しましたが、そこまでは望まれないようです。
◆考察
当初の1月は身体の胸やおなか側を上から下へ流れる経絡がうまく通じなくなり、胸の違和感が出るようになったものです。この時 食道に炎症等があればお医者さまからは「逆流性食道炎」と診断されたりします。気の流れを通し整えるのは適切に治療すれば、比較的早期にできます。流れる気、エネルギーが減少した気虚(ききょ)がひどい方は補気(ほき)というエネルギーを養っていく時間が必要ですが、気を通すだけならすぐにできます。
9月は身体の熱がうまく発散されなくなっています。汗をかきすぎて身体の津液(しんえき、身体の正常な水分)が不足し、身体を適切に冷やすことができなくなった状態です。
夏の終わりによくある症状で、瀉熱で熱をとるのは簡単です。
本当は瀉熱に加え 津液不足をなくし、入浴できないような身体の不調をなくす補陰(ほいん)という治療をしばらくすれば寝つきもよくなり 入浴もできるようになります。9月の2回の治療でも補陰していましたが、2回では身体の状態をしっかり変えるところまではいきません。
患者さん本人としては 訳のわからない大変な症状にみえるかも知れませんが、中医学では分析し見通しを立てることができます。適切に治療すれば簡単に治るものも多いのです。2018年10月
NHK[総合]で2018年9月24日(月)に放送されたドキュメンタリー番組「東洋医学 ホントのチカラ~科学で迫る 鍼灸・漢方薬・ヨガ~」はご覧になったでしょうか。
番組の中で頻尿 過活動膀胱を会陰(えいん)というつぼを小さなローラーでマッサージして効果があったという話が紹介されていました。似たようなことをやっているなと思いました。じつは結(ゆい)は棒灸で効果をあげています。
会陰の位置は女子は肛門と陰部の間です。男子は肛門と陰嚢の間です。過活動膀胱かどうかのチェックは以下からどうぞ。
◆過活動膀胱 チェック
http://www4.nhk.or.jp/P5063/23/
☆頻尿 過活動膀胱に棒灸が効きます
会陰への棒灸は以前「膣カンジタが早く治る方法」で紹介しました。膀胱炎にも良く効きます。お灸の煙(ヨモギの煙)には殺菌作用があります。バルトリン腺のう腫が大きくなって痛む患者さんにも効きました。のう種が小さくなり痛まなくなりました。
生理不順やPMS(月経前症候群)に使うこともあります。
以上のような患者さんの中に過活動膀胱の方もいて「頻尿がなくなった」という声を聴くようになり、なるほど過活動膀胱にも効くんだとわかりました。
☆恥ずかしくないです。ディスポショーツを使います。
結(ゆい)ではディスポショーツにはきかえてもらい、ショーツの上から棒灸をかけます。下半身はディスポシーツやタオルで念入りにカバーします。同時に頻尿に効くつぼに鍼をします。韓国流のヨモギ蒸しと鍼灸治療をいっしょにやるようなものです。自宅でも棒灸治療をしてもらいます。
頻尿 過活動膀胱にお悩みの方は ぜひお試しください。直接 言うのが恥ずかしい方はメールかメモでどうぞお伝えください。
☆NHKテレビ番組の要約(Gooより)
頻尿もツボで改善することが可能。尿が溜まる時、通常は膀胱の筋肉が緩み膨らんでいく。そして膀胱が一杯になると自律神経の司令によって膀胱の筋肉が収縮を開始、この時尿意がもたらされる。しかし、自律神経に異常が起きると尿が十分に溜まらないうちから脳が収縮の司令を出してしまうようになる。このため頻繁に尿意を感じてしまう「過活動膀胱」が起こるのだという。過活動膀胱は投薬治療も可能だが、副作用で治療を続けられない人も多い。長年自律神経の研究を続けている堀田晴美さんによると、ローラーを使って「会陰」というツボを刺激することで頻尿が改善されるそう。実際に40代~60代の頻尿に悩む女性11人に実証実験を行った。診断に使った「過活動膀胱」の質問表はHPでも紹介中。女性たちにローラーを渡し、1日1回・5日間 会陰をさすってもらうと、全員が改善。中には診断が0点になった人もいた。強くさすると症状が悪化するおそれがあるので注意が必要。会陰をさすることで「仙髄」への刺激が伝わり、自律神経が遮断され膀胱の過剰な収縮がおさまるのだそう。2018年10月
Q HPに不妊治療の記載が少ないように思えるのですが
A 私が治療していて妊娠された女性はたくさんいらっしゃいます。妊娠して、つわりの治療、逆子の治療、出産後の疲労の治療。その後 子供さんを小児針で治療してといったことはよくあります。
ただ不妊の治療を前面にだすことにはためらいがありました。私たち夫婦はたまたま子宝に恵まれましたが、「子供ができてこそ幸せ」といったふうに思うのはちょっと違うのではないかと思っていたからです。
たまたま自分の子供に恵まれなくても、二人で生きていくとか、養子をとるとか血縁だけでない家族の在り方もいいのではないかと考えていたので、血縁の子供をつくろう!そこにこそ幸せがある!といった主張につながりかねない不妊治療の宣伝には抵抗がありました。
ただ最近の西医の不妊治療は、卵子ばかりみて肝腎の母体を安らかにしていく視点が不十分すぎます。不妊治療を続けていくと女性は疲れていきます。これからは女性(母体)にやさしい鍼灸の魅力はもう少し積極的に発信していくつもりです。2014年4月20日掲載
「全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんの治療 PMSも」の吉本(仮名)さんの数ヵ月後の様子を知るためにアンケート出していたのが返ってきました。
☆数ヵ月後も元気でした!PMSで全般性不安障害(GAD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)が疑われた患者さんのその後
結(ゆい)を卒業された後も、吉本さんは順調です。
吉本さんは、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとんでいましたが、2ヶ月弱の治療で卒業されました。
/acupuncture/depression/
◆鍼灸治療の効果を
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。と回答され「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。」と回答されています。
◆コメント欄には以下のように書かれていました。
先生へ お手紙ありがとうございます。中略 先生の所に初めて行った時のような、どうしようも手に負えない不安感はなくなりました。ありがとうございます。治療中の先生の言葉にも何度もはげまされたり、心のモヤモヤ感がなくなりました。今は漢方やセルフケアで保てています。心というのは、ゆれうごくものなんですね。コメント以上
当時、仕事でスピーチする機会があるというのでスピーチの練習の仕方を教えたことを思い出しました。まあ私の失敗談中心のバカ話だったのですが。若い方が自信を回復していく姿をみるのは嬉しいものです。
五十嵐(仮名)さんは十代後半の学生さん、中学2年の頃から生理が始まったのですが、1年に1~2回しかきません。3ヶ月治療したところ定期的に生理がくるようになりました。
アトピー性皮膚炎も小学校高学年からあり、頚や肩もこり、足がつりやすいそうです。こちらの方も肌がきれいになり、かゆみもなくなりました。「頚、肩のこり」が最初になくなり、次に足がつらなくなり、アトピー性皮膚炎がきれいになった後に生理がくるようになりました。五十嵐さんは中医学でいうと血虚(けっきょ)のタイプ、少しだけ気虚(ききょ)もありました。
中医学では「頚、肩のこり」「足がつる」「アトピー性皮膚炎」「無月経」を別の病気とは考えません。「頚、肩のこり」は気虚(ききょ)のために気のめぐりが悪くなったために起こっています。
足がつるのは筋肉にうまく気血(きけつ)が回っていないため、アトピー性皮膚炎は血虚のため皮膚の状態が悪くなったためです。血虚の肌はアトピーとは限りませんが、カサカサしてかゆみが出やすくなります。
無月経は血虚で栄養状態が悪くなっているためです。無月経という病気を治すというよりは、身体を元気にしていく中で自然と回復していくイメージです。
アンケートには「生理が毎月来るようになってとてもうれしいです。」と書かれていました。無月経の治療はホルモン療法、低用量ピルだけではないのです。鍼灸は本当に身体を治していきます。
※五十嵐さんの場合は血虚でしたが、無月経の原因は血虚ばかりではありません。
鍼灸は身体を活性化させます。鍼灸治療中に閉経したと思っていた生理が再び始まることもあります。無月経の治療が自然とできてしまうのです。これも一種の アンチエイジングでしょうか。体調はよくなっているので患者さんには喜ばれます。
じつは「原因不明の右胸の痛み、頭痛、目の奥の痛みもきれいになくなりました」で紹介した50代の女性、森田(仮名)さんの生理も復活しました。森田さんは8ヶ月続いた痛みが1ヶ月と少しの治療で治った後、1ヶ月お休みされました。右胸の痛みが少しだけ再発したため治療を再開。痛みは1回でなくなりましたが、その後は肩こり等の治療として週1回程度の治療を続けていらっしゃいました。そうしたところ8ヶ月ぶりに生理がきました。結に最初に来院されてから、約4ヶ月たっていました。
「原因不明の右胸の痛み、頭痛、目の奥の痛みもきれいになくなりました」はこちら
/acupuncture/headache/
婦人科では「女性ホルモンの低下から閉経したもので、2度と生理は来ない」と言われていました。いったん閉経と思われていた女性患者さんの生理が復活するのは、結ではよくみられる現象です。
◆森田さんのコメント
婦人科で女性ホルモンの低下で閉経と言われていましたが針治療を始めて4ヶ月、8ヶ月ぶりに生理が戻りました と同時に慢性化していた肩こりがほぼなくなりました。ありがとうございました。
自筆のアンケートの写真はこちらから
/voice/
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
中医学では頭がふらふらし気が小さく驚きやすく不眠となり、ため息ばかり出るような状態、物事についてさんざん考え思いをめぐらしても決断のつかない状態や不安にさいなまれる状態を胆虚(たんきょ)と診断し治療しています。
吉本(仮名)さんは20代の女性です。4ヶ月前、右下の歯茎に麻酔したところ、翌日朝から右側に違和感が出現、右半身全体に違和感がでるようになったとのことで来院されました。漢方薬は処方されていましたが、なかなか効かないそうです。不安感がつよく、理由のない不安感におそわれた時は過去の怖いこともいっしょに思い出すそうです。胸がしめつけられるようになることもよくあります。しゃべりながら涙を流し話がよくとびます。
3週間6回ほど治療したところ、不安感は消え情緒も落ち着きました。仕事にも集中できるようになりました。この段階でアンケートをいただきました。
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。治療前の苦痛を10とすれば今は3である。
◆コメント
右半身の硬さは少し残りますが、何もないことに涙がでたり、怖いことを思い出すのが減り、情緒が安定してきてうれしいです。情緒が不安定なのは自分の努力や考え方の問題のように思っていましたが、間違ってカイロがつながってしまった状態と言われ初めての治療の次の日、意味のわからない不安や右のモヤモヤがとれておどろきました。ありがとうございます。
※「間違ってカイロがつながってしまった状態」というのは「不安でもないことに不安を感じてしまうのは、脳の中である刺激、情報がまちがって伝わってしまう状態になっています。いわばバグです。鍼灸は脳のバグを修正できます」と説明したことをさしています(藤井)
その後、1ヶ月治療して右半身の違和感もなくなり仕事にも集中できるようになり、不安感も全然 感じなくなり卒業していかれました。もともと月経前症候群(PMS)のある方でしたが、こちらの症状もでなくなっていました。
吉本(仮名)さんは幼い頃から集中できず、考えがコロコロ変わる状態だったそうで、注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑われたといいます。
今回は全般性不安障害(GAD)のような状態でした。これは胆虚(たんきょ)です。
何事にも自信のもてない方でしたが、仕事のやり方を少し助言したところ、助言どおり素直にやってくださり仕事がうまくいきました。「うまくいきました!」と嬉しそうに報告してくださいました。いっぱいいっぱいほめました。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
神野(仮名)さんは30代前半のお母さん、授乳中です。1ヶ月前から乳腺がすぐにつまるようになりました。何回マッサージに通ってもすぐにつまるため、結(ゆい)にいらっしゃいました。お乳のはりや痛みだけでなく、肩や首のこりもひどいとのこと。1回治療すると、つまりはなくなり肩こりも消えました。2回の治療で終了。約1ヵ月半後も再発のないことを確認しています。じつはお連れ合いが神野さんにすすめられて治療にこられ、教えていただきました。
2回の治療後にアンケートをいただきました。
◆よい効果があった。少し苦痛があるがずいぶん楽になった。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は2である。
◆コメント 今までマッサージでも抜け切らなかった詰まりが抜けてしまいました。本当に鍼灸でここまで良くなるのか?と半信半疑でした(笑)
乳腺炎だけでなく目の疲れ、肩こりなど全身症状も治していただきとても感謝しています。定期的に通いたいと思います。
お乳の出が悪くなるのは、気の滞りからですが、たんなる気の滞りだけならマッサージでもよくなります。今回、何度マッサージを受けても神野さんの乳腺がすぐに詰まってしまうのは、気の滞りを解消し、気をめぐらせる身体の力が不足していたからです。
伝統的中医学では気虚(ききょ)という状態です。気の推進力が不足しているからすぐに滞り、つまるのです。身体が非常に疲れた状態です。結(ゆい)の針灸は気のめぐりをよくするだけでなく、不足している気を増やす経穴(つぼ)を使い気虚を改善させます。身体をめぐる気が増え、力強くめぐるようになるため再発がなくなります。肩こりも一時的に楽になるだけでなく、肩のこりにくい身体になっていくのです。
マッサージのあと、かえって身体のだるくなってしまう方はたいてい気虚です。信頼できる針灸院で治療をうけてください。2014年1月28日掲載
自筆のアンケートの写真はこちらから
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
国元(仮名)さんは30代後半の女性、20XX年の9月にいらっしゃいました。3ヶ月の赤ちゃんに授乳しているが、2~3日に一度、つまって胸が痛くなる。首も背中もこって、腰も痛いという訴えでした。乳房マッサージを受けてもすぐにつまると泣かんばかりの表情です。
右の胸に5センチほどのしこりもできています。
2度ほど治療したところ、首や背中のこりは感じなくなりました。乳腺炎の痛みはなくなりましたが、しこりは残ります。腰のだるさがまだあるとのことですが、ずいぶん気分がよくなったということで笑っていらっしゃいます。1ヶ月で5回治療して、すべての症状がなくなり治療を終わりました。1ヵ月後も再発のないことを確認しています。
乳房マッサージを受けてもすぐに痛み始めた乳腺炎が針灸ではなぜすぐに治ったのか。乳腺炎だけでなく身体全体の状態をよくしていくことを心がけたからです。疲れをとり、胸の痛みだけに集中していた気持ちの状態、正確には脳の状態の変化をうながしたからです。元気になった国元さんは、その後すぐに赤ちゃんを預けて外で働かれるようになりました。2017年1月7日掲載
◆アンケート回答
よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。
☆国元さんのコメント
出産して一ヶ月は何もなかったのに3カ月ごろから右胸がつまるようになりました。母乳の出も多く、つまりが取れたかと思っても1 、2日でまたつまる。助産婦さんにマッサージしてもらったり、食事もかなり制限しましたがあまり変化はしなかったです。痛くもあったので赤ちゃんの可愛さを堪能したいのに、胸のしこりのことばかり気にして精神的にもまいってました。わらにもすがる気持ちでネットで知った結(ゆい)針灸院に治療に来ました。その日から今日で数週経ちますが、一度もつまることがありません。以前のつまりがまだ少し残っているので効果については「少し苦痛はあるが」にしましたがほとんど1(完全に治り苦痛がない)です。治療に来てから本当に日に日に気持ちも軽くなりひょっとしたらまたつまるのではないかという不安もどんどんなくなりました。治療も毎日同じことではなく「今日は〇〇のようにしましょう」とその日の様子にあわせてしてくださることにすごく信頼できる治療と感じています。まだしばらくお世話になると思いますがよろしくお願いいたします。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
昨年暮れ頃、30代の女性が首や肩がつらいと治療にいらっしゃいました。女性は授乳中。おっぱいが張り、しこりができています。つらいので乳房マッサージに先週は3回も来てもらったとのこと。乳腺炎の可能性があります。
「首や肩だけでなく、乳腺炎もいっしょに治しましょう」というと驚いた顔をされましたが、1度の治療で楽になり、2回目の時にアンケートに記入してもらいました。
「よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。」と回答され「治療前の苦痛を10とすれば今は1である」との回答をいただきました。
女性は2回の治療で乳房のしこりも消え、元気になりました。
乳房マッサージでは「桶谷式マッサージ」が有名です。助産師の資格をもつ女性が行うマッサージで、優れたやり方です。ただ桶谷式は厳格な食事療法を一律に授乳中の女性に求める面があり、そこには疑問を持っています。厳格の度合いは助産師さんによって違うのかもしれませんが、さまざまな身体の状態の女性がいるわけで、一律に粗食的な和食を求めるやり方は乱暴すぎると思うからです。コメントで「食事とマッサージでないと」というのは桶谷式の影響を受けた考え方です。
私は「桶谷式乳房マッサージは気持ちがいいから受ければいい」といい、食事については患者さんに合ったやり方をアドバイスするようにしています。粗食が合う人もいますが、合わない人もいるからです。
針灸は乳腺炎を治し、身体を治し、お乳も気持ちよくたくさん出るようにすることができます。
20代後半の女性の腰痛です。出産後2年にわたり痛み続けていました。約1ヶ月間に5回ほど治療して治りました。肩こりもあったのですが、こちらも治っています。
写真は妊婦さんの自筆のコメント。
妊娠中に腰痛になることは多いのですが、たいていの整形外科では流産を恐れて治療を断られることが多いようです。今回は妊娠4ヶ月でぎっくり腰になった妊婦さんのお話です。
20代後半の女性で初産です。朝、うがいをしようとしたら腰に電気が走ったような感じがして腰が痛くなったとの訴え。つわりもひどく吐き気に苦しんでいらっしゃいます。妊婦さんは普通体温が高くなるために冷えもなくなることが多いのですが、足は冷えるとのこと。腰痛とつわりをいっしょに治すことにしました。
2回治療したら腰痛はなくなり、吐き気も軽くなりました。3回目で吐き気もなくなりました。のどに何か詰まったような感覚があったのだけれどそれもなくなったそうです。足の冷えもなくなり、3回で治療終了しました。
妊婦さんの腰痛やつわりはどうぞ針灸で治してください。
母体が安定する5ヶ月、妊娠16週以降から始めます。妊婦さんが自分で三陰交というつぼに台座灸(千年灸のようなもの)を1壮すえます。毎日施灸します。8ヶ月、妊娠28週からは1壮を2壮3壮にふやしていってもいいでしょう。
安産灸は分娩時間が短くなり、お産が軽くなります。母と娘は体質が似ていることが多いのでお母さんが陣痛微弱だった方には特にお勧めです。
足がだるい、むくむといった症状に効きますし、静脈瘤の予防にも効果があります。逆子を予防する効果もあると考えています。
安産のお灸をすると健康な赤ん坊になるともいわれています。私もそう思いますが、これについては上記の治療効果ほどにははっきりしていません。
安産灸はつわりにも効くともいわれていますが、つわりがおこるのは妊娠3ヶ月8週頃の安定期に入る前のことが多いので、私はこの時期の妊婦さんが自分でお灸をすることはすすめていません。専門家の鍼灸師が妊婦さんの状態をきちんとみながら丁寧に針灸治療していったほうがいいと考えています。
切迫流産の時は中止
切迫流産を産婦人科で診断された時は、安産灸を中止します。 切迫流産では産婦人科から安静を指導されますから、たいていの妊婦さんは針灸院に来ること、針灸治療自身を中止されます。お家がお近くで、もし治療を続けることができる場合は流産を予防する治療を受けてください。流産を予防する治療に自信があるかということを、鍼灸師に問い合わせることもお忘れなく。最近は私が教育を受けた頃に比べ、鍼灸学校が爆発的に増え、質の低下が懸念されているからです。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
逆子にはお灸が一番!お灸で逆子が治ることをご存知でしたか。
200X年に逆子を治療した患者さんから、下記のようなメールを頂戴しました。
3月末と4月初めに2回ほど逆子治療していただいた吉永(仮名)と申します。
昨日午後に予約をしておりましたが、急な仕事が入ってしまい、予約の時間に帰れなくなってしまったため、次回いつ治療に行けるかと悶々としておりました。
ところが、今日の30週の妊婦検診の超音波検査で産婦人科医の先生から「逆子が治っていますね」と言われました。
確かに2回目の治療の後は、下半身の冷えが改善しているのが自分でもわかり、治療から1週間たった今日でも以前ほど足の冷たさがなくなりました。いつ赤ちゃんがぐるっと回ったのかはわかりませんが、下半身の冷えが改善してよく動くようになったせいではないかと思っております。
本当にどうもありがとうございました。今回初めて鍼灸院の門をくぐりましたが、鍼灸っていいですね。もう少し時間に余裕のある生活ができるなら、時々通ったら心身ともに快調になれそうだなと思いました。また、何かの機会にお世話になることがあるかもしれません。その時には、またよろしくお願いします。
以上
吉永さんは30代の初産の女性です。妊娠中にもかかわらず手足の冷えを訴えられていました。妊娠中は体温も上がるので、足の冷えは改善することが多いのですがこの方の冷えは続いていたようです。逆子の患者さんは、吉永さんのように足の冷える人が多いようです。冷える方に頭を置くことを胎児が嫌うのかも知れません。
逆子は出産までの時間との闘いの面もあるので、私は4~5回は続けて治療してもらうようお願いしています。週に2~3回の治療をお願いしています。なんらかの理由から逆子が治らないことや、いったん直っても逆子にもどってしまうこともあるので、5回程度を上限としています。直る時は3回程度で直ることが多いというのが臨床的実感です。
9ヶ月の終わり妊娠35週に入ると逆子が返る率が極端に減るといわれていますので、逆子を指摘されたらできるだけ早く来院されることをお勧めしています。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
子宮内膜は、本来、子宮の内側だけに存在し、妊娠する場所にできるものです。
そして、妊娠しない場合には、この内膜は剥がれて出血し、月経となります。子宮内膜が子宮の内側だけではなく、例えば、卵巣、卵管、腹腔内、直腸の表面などの他の臓器で増えてしまうのが、子宮内膜症という疾患です。卵巣に血がボールのように溜まり、チョコレート嚢胞という状態になる場合もあります。
主要な症状は、月経痛(月経困難症)、性交痛、経血量が多い(過多月経)などで、不妊症の原因にもなりやすいとされています。中医学の症候分類では、肝欝気滞(かんうつきたい)、気滞血お(きたいけつお)に分類されます。
生田和子さん(仮名)は、独身の30代初めの女性、左右の卵巣に2~3センチのチョコレート嚢胞を伴う子宮内膜症でした。月経前症候群(PMS)で、生理痛もひどく、生理前には頭痛、背中の痛み、肩こりがひどくなります。肩こりが常にあり、足も冷えます。
時々、中断しながらも治療を続けました。自宅でお灸もしてもらいました。
3年後、左右の卵巣のチョコレート嚢胞がきれいに消失していることが婦人科で確認されました。生理痛もほとんどなくなり、生理前の頭痛も消失しました。
肩こりも改善され、生理前に肩こりが悪化するということもなくなりました。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
子宮にできる良性の腫瘍です。
中医学では肝欝気滞(かんうつきたい)、気滞血お(きたいけつお)などに分類されます。下腹部を通る気の流れ、経絡を通すと、筋 腫の成長を抑制したり、小さくすることができます。
筋腫が消失した患者さんもいます。
ただ日本では子宮筋腫を治療することを目的に来院されることはほとんどありません。
治療へのモチベーションを持ち続けることが大変だからです。
子宮筋腫ができるような身体の状態の時は、頭痛や肩こり、月経痛やいくつかの不定愁訴がある場合が多いので、そこを治すために来院される方がほとんどです。
まずはそれを治していきます。その時、下腹部を通る気の流れ、経絡を通すつぼを適切に入れながら、治療しているといつのまにか子宮筋腫が消失している、小さくなっているという場合が多いのです。
子宮筋腫は半年、一年といった単位の治療になります。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
月経前症候群(PMS)とは、排卵後から月経が始まるまでの間(基礎体温が高い時期)に、肩こりがひどくなったり、胸がはったり、むくみが出たりする症状です。
イライラしたりすることも多く患者さんはたいてい「肩こりがひどくなってきた」「生理前だからかしら」という形で訴えます。
さまざまな不定愁訴の訴えがあります。
生理がはじまってしまえばこれらの症状はなくなるか、軽くなります。
月経前症候群(PMS)の患者さんは、生理周期にあわせて治療していきます。
排卵後から月経が始まるまでの間は、中医学的にいうと、気滞、気がうまくめぐらなくなるので、排卵前よりも気滞をとること、針をして気をめぐらせることに重点をおいていきます。
生理が始まってしまえば楽になる患者さんは、気血がそれなりに充実しています。
身体のバランスは少し崩れているけれど、身体の基礎はしっかりしています。
比較的、短期間の針灸で楽になります。こういう患者さんはスポーツクラブなどで運動すれば、症状が軽くなることもあります。
生理中、生理で出血している時にめまいが出たり、しんどくなる患者さんは気血両虚です。
身体が弱っているので、前述の方よりは少しだけ根気強い治療が必要になりますが、だんだんとよくなっていきますからあきらめないでください。
生理中はゆっくり身体を休め、無理をしないようにしてください。
こういう患者さんには、運動はあまりお勧めできません。
無理な運動で症状が悪化することもあります。
もう少し体調がよくなってから運動は考えてください。
生理が終わって排卵までの時期は、中医学的には身体を補う時期ですから、身体を基礎から健やかにするような治療をしていきます。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
不正出血、崩漏不正出血とは、生理後もだらだらと出血が続いたり、生理中でもないのに出血することです。中医学では崩漏(ほうろう)と呼びます。針灸で治療できる症状です。
中医学では、消化器系全般の働き、食べ物を身体に吸収して栄養分にする働きがうまくいかなくなった時に不正出血がおこりやすいと考えています。
疲れて、おなかの働きがよくない、おなかがはって仕方がないといった時に不正出血がおこるのです。血管も弱く、どこかで打った憶えもないのに皮膚に青い皮下出血の痕が出たりするような状態とも関連づけて考えています。夏は冷たいものを食べたり飲んだりすることが多く、消化器系に負担がかかりやすいのでご注意ください。
不正出血になったときに一番 大切なのはゆっくり休むこと。二番目は身体を冷やさないようにすることです。お風呂にゆっくり入ることや、消化吸収のいいものをゆっくり少しずつたべることも大切です。元気にならなくっちゃ!と一度に無理してたくさん食べると逆効果です。お気をつけ下さい。
上述のことをやっても不正出血が止まらない人、あるいは仕事や家事でゆっくり休めない人は針灸院においでください。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
中島京子(仮名)さんは30代の女性です。2008年9月下旬に首とこめかみの痛みがとれないと来院されました。9月上旬に2日ほど激しい頭痛がしてから、首とこめかみが痛みはじめました。
「今までも月に2回ほど激しい頭痛に襲われることはあった。とがったものでギリギリされるような痛みがある。1回は生理直前。もう一回は不定期。」とのことでした。
生理は40日~50日で来潮と遅れ気味、生理痛はひどく1週間以上痛み、出血も続きます。同じ姿勢を続けるとすぐに首や肩が痛くなるため、パソコンを使った事務作業を続けることができなくなり、5月に退職を余儀なくされました。現在は請負の仕事をパソコンで少しだけしているけれど、痛みのために仕事を続けられないとのことです。
2回の治療でひどい痛みが続くのは、なくなったのですが、まだパソコンを使うと痛くなるということで治療を続けました。
中島さんは毎年 秋になると朝方、咳が続く方。10月はじめに咳が少しだけ出ましたがその後、治療する中で咳は出なくなりました。10月~12月 週1~2回のペースで治療しました。頭痛は10月から出なくなりました。12月からは30日周期で生理がくるようになり生理痛もなくなりました。生理も3日で終わります。
11月からは仕事を本格的に再開、パソコンを使う同様の仕事を続けられています。仕事しても肩がこったり痛んだりということはなくなりました。手足の冷えもなくなりました。「こんなに、早く治るのなら、退職しなくてもよかったかも」ちょっと残念そうでした。
ひどく根をつめた時だけ肩がこるということで現在もたまに来院されています。生理痛や生理の不調はあきらめている女性が多いようですが、婦人科の治療だけでなく針灸も選択肢の中に入れてみてください。2~3年のうちに急に悪くなった症状は意外に早く治ります。東洋医学がゆっくり効くというのは迷信です。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
生理痛、痛経
生理開始1日から3日の間におこることが多く、中医学では痛経と呼び、寒湿と肝気欝滞に分類されています。暖めるとたいてい痛みは楽になります。生理開始1週間から10日の間に2回ほど治療します。ただ、たいていは肩がこるとか、頭痛がするとか他の症状がある場合が多いので生理前に限らず、1週間に1~2回、治療していくパターンがほとんどです。
パニック障害といっしょに生理痛が治りました。
米倉(仮名)さんは20代前半の女性です。2007年の夏ごろから体調を崩されました。職場のストレスから不眠になり、時々どうしようもない不安感におそわれます。夜に何回も苦しくなります。電車に乗ったり、狭いところに行くと、心臓がドキドキしていてもたってもいられなくなります。2007年10月に当院に来院されました。
朝はなかなか起きづらく、昼間は頭がぼんやりしていつも眠いといった状態です。
治療していくと少しあった、アトピー性皮膚炎が消えました。時々出てくるどうしようもない不安感は11月にはなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。朝もすっきり起きることができるようになりました。
電車に乗る距離もだんだんと増やし、各駅停車ばかりではなく、快速にも乗るようにして自信をつけていきました。2008年4月からは毎日、地下鉄で満員電車に乗って職場に通勤されています。電車に乗って、しんどくなることはなくなりました。
じつは体調を崩す前から生理に関しては不調がありました。生理前は身体が重くだるくなります。生理痛がひどく、始まって3日間はひどく痛み、鎮痛剤を飲みます。生理は1週間以上続きました。出血もだらだらと続いていたようです。中医学で脾不統血と呼ぶ状態です。治療する中で生理痛は1日だけそれも鎮痛剤に頼らなくても大丈夫な状態になり、5日程度で終了するようになりました。生理前の身体の重さも、まったくなくなったわけではないのですが改善されています。針灸治療では身体と心を治していく中で、生理痛等生理に関連する不調が治っていきます。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの名前を仮名としているほか、年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少しだけ変えている場合があります。
ご了承ください。
生理不順だけでの来院は少ないですが
生理が早くなったり、遅くなったりする症状には鍼灸がよく効きます。
でも生理不順で結(ゆい)にいらっしゃる方はあまりいらっしゃいません。
ひどく疲れて肩がこるとか腰が痛い、ふらつくといって来院された方に生理不順があるという場合がほとんどです。
2~3ヶ月つらい症状を治しながらお付き合いいただくと、生理不順もいっしょに治っていきます。
生理が早くくる場合、伝統的中医学では血熱(けつねつ)と気虚(ききょ)に分類されるのですがどちらの場合でも疲れすぎないこと、無理しすぎないことが大切です。 生理が遅くくる場合は、気血両虚(きけつりょうきょ)、気滞血お(きたいけつお) などが考えられそれぞれ適切な治療法が準備されています。
頭痛が治って生理がきた女性
ひどい疲労感や身体の痛みを訴えて来院された方が、何回か治療し疲労感や痛みがとれていく中で生理がくるようになったという経験はよくあります。
鈴木洋子(仮名)さんは30代後半の女性。子どもさんも3人いる忙しいママさんです。毎朝 ひどい頭痛に悩まされるということで来院されました。3年ほど頭痛は続いているとのこと。肩こりもひどいです。08年11月に来院されました。遠方の方なので1週間に一度 治療することにしました。
一回の治療で頭痛は消失、その後、週に一回ほど頭痛が出てもすぐになくなるという程度になりました。下剤を使わないと出なかったお通じが2日に一度あるようになったのが1ヵ月後。治療をはじめて2ヶ月に入ると頭痛も2週間に一度 あるかないかといった状態になりました。そうして半年ぶりの生理を迎えることができました。
婦人科でホルモン剤に頼る前に鍼灸で自然治癒力をよびおこしてみませんか。婦人科の治療との併用も問題ありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
更年期とは閉経になる前後の期間のこと、時期としては平均50歳前後といわれています。
更年期障害の主な原因は卵巣の働きの低下に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるものといわれています。
症状はほてり、のぼせ、ぱぁっと汗をかいたりするほか、頭痛肩こり、不眠。いろんな自律神経症状、うつ症状、不安感などいろいろあります。
こういった症状が20~30代で出る場合、一部のメディアが若年性更年期障害とかプチ更年期障害とか呼びはじめました。月経がとまる場合もあります。
女性ホルモン(エストロゲン)を出させる卵胞刺激ホルモンが自律神経の乱れによってスムーズに出なくなってくるから、女性ホルモン(エストロゲン)がうまく出なくなってくるのではないかと西洋医学の立場から説明する医師もいますが、定説と呼べるかどうか私にはわかりません。
そもそも若年性更年期障害/プチ更年期障害は正式な医学的病名ではないのです。
当然、確立された治療指針もありません。
婦人科では各種ホルモン剤や排卵誘発剤、低用量ピル、中用量ピルや漢方薬を使っているようです。
針灸では どう治す
20~30代の女性の月経が不順になったり、場合によっては月経が止まったりして、さまざまな自律神経症状もいっしょにでてくるのは今にはじまったことではありません。
私も昔から診てきました。
月経が止まる場合、中医学では大きくは血枯(けっこ)と血滞(けったい)に分類されます。
血滞(けったい)の場合は顔や手がほてったり、皮膚がかさかさしてきたり、口が渇いたり便秘になったりするといわれています。
20~30代の女性は必要なホルモンを出す力は持っています。ストレスからその働きがスムーズにいっていないだけ。
各種ホルモン剤や排卵誘発剤に頼る前に漢方薬や針灸で、本来持っている力を呼び戻してあげた方がいいのではないでしょうか。
プチ更年期について紹介しているあるホームページに以下のようなキャッチコピーが並んでいました。
若い女性に増えている「プチ更年期」 原因はストレスや過剰なダイエット、過労など放っておくと本当に閉経してしまうことも!
早めの治療とストレスをためない生活を心がけて。
プチ更年期は増えているの?
プチ更年期という更年期障害のような症状を訴える女性が増えているといわれれば「そうかもしれないな」とも考えてしまいますが、若年性更年期障害/プチ更年期障害は正式な医学的病名ではないので正確な統計はないと考えられます。
増えているかどうかはわからないというのが実際のところではないでしょうか。
増えているとみんなが思い込んでいても、実際は増えていない、むしろ減っているということも世の中にはあります。
たとえば犯罪。
みんなは増えていると思い込んでいますが、実際は2002年をピークにして減少傾向にあります。法務省のホームページにアクセスして最新の犯罪白書をみればすぐにわかります。
法務省の2006年犯罪白書 によると
2005年の殺人は横ばい、強盗は前年比17.9%減、窃盗(せっとう)は前年比12.9%減
フランス,ドイツ,イギリス、アメリカと比較すると「各国の主要な犯罪の統計数値を見る限り,我が国の主要な犯罪の認知件数及び発生率は,各年ともほかの4か国を下回っている。」と法務省は日本の治安に胸をはっています。
儲かるのは誰?
事件は減っているが、事件報道は増えているという調査がありました。
「犯罪が増えている」「治安が悪化している」と人々を不安にしたほうが、警備会社や防犯グッズの会社は儲かります。
携帯電話も防犯を理由に小さな子どもにまで売れます。人々を不安にしたほうが、儲かる人が多いのです。犯罪は減っています。
でも犯罪白書の事実を淡々と報道するよりも、センセーショナルな犯罪、事件のニュースのほうが視聴率はとれるのです。
人々はますます不安になりセキュリティにお金を使います。
薬の使用量を増やすため?
プチ更年期障害が若い女性に増えているという情報も、誰が儲かるのかなとふと考えてしまいました。
米国国立衛生研究所が、HRT(ホルモン補充療法)は恩恵よりもリスクの方が大きいという見解を発表して以降、各種ホルモン剤の使用量は伸び悩むか、減っているはず。
若年性更年期障害/プチ更年期障害という新しい呼び方、病気をつくりだすことは、薬の需要を増やすのには役に立つはずです。
製薬会社がキャンペーンをしかけても不思議ではありません。
たいした根拠もないのに「増えている!」とキャンペーンする仕方は治療家として好きになれません。いたずらに女性の不安をあおるからです。
不安はいろんな症状を悪化させます。
昔から月経不順や月経が止まることはありました。
プチ更年期障害のような症状があったなら、ほっとかないで早めに治療することは大賛成。でもすぐにホルモン剤や排卵誘発剤に頼るのには疑問を感じます。
20~30代の女性は必要なホルモンを出す力は持っているからです。ストレスからその働きがスムーズにいっていないだけ。
各種ホルモン剤や排卵誘発剤に頼る前に漢方薬や針灸で、身体の本来持っている力を呼び戻してあげた方がいいのではないでしょうか。
更年期障害は人それぞれ
更年期とは閉経になる前後の期間のこと、時期としては平均50歳前後といわれています。
更年期障害の原因は卵巣の働きの低下に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるものといわれています。
症状はほてり、のぼせ、ぱぁっと汗をかいたりするほか、頭痛肩こり、不眠。いろんな自律神経症状、うつ症状、不安感などいろいろあります。
症状の出方も人それぞれ。
中医学では血虚(けっきょ)、気血両虚(きけつりょうきょ)、肝鬱気滞(かんうつきたい)、肝陽上亢(かんようじょうこう)などに分けられます。
個々人の状態に合わせて針をしていきます。
50歳前後の女性の患者さんを治療することは日常茶飯事ですが、更年期障害を治していると意識することは、じつはほとんどありません。人それぞれで、更年期はこれ!という枠にくくれるものではないからです。
個々人の状態に合わせてオーダーメイドの針をしていくことが、結果として更年期障害を治すことにつながっています。
ホルモン補充療法の安全性は
女性ホルモンが減って症状がでるのなら、補充すればいいというのが西洋医学の考え方。HRT(ホルモン補充療法)が今もインターネット上などで救世主のように宣伝されていますが、自然に逆らうといささか無理も出てきます。
米国国立衛生研究所は、HRT(ホルモン補充療法)について、恩恵よりもリスクの方が大きいとの見解を発表しています。
2007年10月の吹田市報に市民病院の産婦人科医師の意見が載っていました。
女性ホルモン補充による心疾患、肺こうそく、乳がんのリスクが発表されました。それ以後、量を減らすとか、止めるとかに変わってきました。けれども、この治療は効力があるので、症状のひどい方には、リスクをきちんとお話して、行っています
西洋医学の立場からのホルモン補充療法の安全性への判断はこの辺に落ち着くのでしょう。
まず周りの思いやりから
女性の50歳前後というと子育ても一段落しつつある時期。親の介護等の問題も出てきたりしていろいろなことを考え始める時期でもあります。
仕事を続けていらっしゃる方は定年とか退職後のことを意識し始める時期でもあります。身体の変化と周りの状況の変化が複雑に絡み合っていろんな症状をつくっていくのでしょう。
結婚していらっしゃる場合は、まずは夫の役割が大切。妻への思いやりが症状を軽くすることはまちがいありません。
私は男ですから、夫の気持ちもわかります。
女性の患者さんに
「不満がある時は、これこれこういうふうに、話をすれば
お連れ合いに伝わりやすいですよ」
「○○というふうに言えば男は聞く耳をもつようになります。男は単純ですから」
という感じで助言させいていただくこともしばしばです。
本人は深刻、実は軽症
近頃は「ホームページを見た」といって来院される方が結構いらっしゃいます。
そのうち20代から30代の女性の方に関しては、軽症で治しやすい方が多いようです。すっと治ります。
患者さん本人は深刻に悩んでいらっしゃって、いろいろとつらい症状を並べられるのですが、私からみると比較的簡単に治るような状態が多いのです。20代から30代はやはり若い。
症状はいろいろあって患者さん本人はここもあそこも悪いと思っている。
症状は一見 重そうです。
けれど実際は身体のバランスが崩れているだけという場合が多いのです。基礎的な力はしっかりしている。基礎的な力がしっかりしていれば治りやすいのです。的確に気の流れを調整してあげれば、すっと治ります。
生体エネルギーである気(き)が衰えている場合を伝統的中国医学では気虚(ききょ)といいますが、20代~30代の気虚とご高齢の方の気虚はやはり程度が違うのです。
健美(けんび)で輝くために
若いうちに治しておいたほうがいいですよ。
というのが一番いいたいこと。
とくに出産と子育てを人生の選択肢の中に入れている女性は、今のうちに治しておいた方がいいのです。
たとえば体温が35.5℃以下のことが多い低体温に悩む方は、低体温のままでは妊娠しにくいことが多い。低体温を治すことが、将来の自然な妊娠につながっていきます。
出産と子育ては素晴らしい幸福感を与えてくれる貴重な体験ですが、それなりに身体に負担をかけます。
テレビではよく7~8人の子供のいる家族が、たくましい家族愛の象徴のように紹介されます。でもみなさんはお気づきでしょう。お母さんは実際の年齢よりたいていは老けています。妊娠育児は女性の身体にそれなりの負担をかけるのです。妊娠前に身体に余力をもつことが大切です。
つらい症状をきちんと治療して、何年か後に身体に余力をもって妊娠すれば、切迫流産なども未然に防げますし、何より出産後が楽に過ごせます。 小さな子供の子育て中は、治療に割く時間もなかなかとれなくなります。
若いうちに治しておいた方が短期間に治りやすいし、余裕をもって子育てをする体力とやる気をつくることにつながります。
美しくなるためにも身体の健康は大切。
水の代謝がわるいと下腹がぽっこり出てきます。 顔や頭に気がきちんとめぐらないと、ぼおっとするだけでなく、顔がはれぼったくなります。 寝起きの顔がいつまでも続きます。
本当の美は健康とひとつになった状態、健美(けんび)から生まれます。
生理痛の治療をした20代の女性からメールをいただきました。
藤原(仮名)さんにはは生理直前に2回ほど鍼灸治療をしました。
一般に 生理痛の治療は生理前の10日間に2から3回治療します。 これを3ヶ月ほど続けて様子をみます。
藤原さんは激烈な痛みが襲ってくるという症状でしたが、初回の2回の治療から生理痛がなくなりました。
*メール掲載にあたっては患者さんご本人の了解をいただいております。メールは一部を抜粋したものです。
また プライバシー保護のため 一部が変更されている場合もあります。
先生こんばんは。 先週より治療受けてます藤原(仮名)です。以前に先生のHPのことを聞いて 見てまして、せっかくメールOKなら報告しておこうと思って書いてます。
ほぼ予定通りに今週の日曜の夜から生理がはじまりました。念の為薬を飲もうかな?と言ってましたが、治療受けてからずっと体調が良く「ひょっとして大丈夫 かもしれない」と思い鎮痛剤は飲みませんでした。少しの傷みやだるさはありましたが、普段と比べることもできないくらいに平気でした!次の日の仕事も、冷房の為に余計にしんどくなることが多いので行くの悩みつつ行きましたが、これもまた平気でした。
今までの私は何だったんだろう・・・と思うくらいに楽でした。 痛さだけでなく、今まで出血がちゃんとしてない感じだったのですが(夜は止まるなど) これもスムーズな感じなのです。きっとこれが普通の生理なんでしょうね。これが普通 なら、確かに今までの私は「異常」で、他の人から理解されなかったのはもっと もだろうな、と改めて思いました。 でも、今回の治療であれだけ変化があるくらいなら、もっともっと早く行ってお けばよかった、って悔やんでます。
今、疲れやすさもマシになってますし、背中 のかゆみもほとんどないのです。ウソみたいです。
ていねいな報告ありがとうございました。 これからも時々でいいですから 報告してもらうと助かります。
藤原さんの 体質は改善できますよ。 今の状態は「気滞血お」といって 要するに気と血の流れが悪くなっている状態。気と血の流れを鍼でよくしてあげれば治ります。
一定期間 治療して うまく流れる状態になれば 後は ほっといても大丈夫。
ちょっと悪くなりかかったかなという時にまた治療すればいいだけです。
例えば気と血が少なくなりすぎている状態に比べれば(まあ少しは気と血も 少ないのですが、まだまだ大丈夫) 比較的 早く治ります。体質改善できます。
流れをよくするのは、気と血をだんだんに増やしていくよりは早いのです。
また来月おいでください。
美容整形VS美容鍼
ディ・ラボという鍼灸師向けのメルマガの No.103で面白い記事を見つけました。アメリカで美容のために鍼をするのが流行っているというのです。
以下 一部を引用すると
「2年前のあるニュースであるハリウッドスターがボトックスの代わりにこの鍼治療を行い本当にすごい効果があったと言ったことが伝えられてからである。」
「特に、年齢による衰えが気になる団塊世代の人たちの中ではこの動きが顕著である。しかし、実は、この動きを支える人々が他にもいるのだ。それは、美容整形を受ける人たちで、彼らはボトックス注射を何度も受けたり手術という手段による危険性を心配したりしているのだ。そこで、そういった人々をターゲットにした美容整形の代替医療としての美容鍼治療ビジネスが盛んに行われているのだ。
この美容鍼治療では、従来の鍼治療と同様に、顔にあるつぼに鍼を刺して治療を行う。この治療方法を推奨する人たちによれば、これにより、鍼を刺した部分の血流が改善されたり引き締まった筋肉を作り上げたりして若返って見えるようになるというのである。」
以上
じつは私もここ数年、美容とは別の理由で、患者さんの顔に鍼をすることが多く、結果として美容にも効果があることは実感していたのですが、美容整形の代替医療として美容鍼をアピールするというのは私の発想にはなかったので驚いたのです。
ボトックス注射というのはボツリヌス菌の毒素を皮膚の筋肉に注射して筋肉を麻痺させるやり方。笑うとしわが目立つというが、笑っても表情をつくる筋肉が麻痺していればしわは目立ちにくいということらしいのです。ボツリヌス菌の毒素を皮膚の筋肉に注射するというやり方は、顔面がけいれんしてしまう病気の治療法として開発されたことは知っていましたが、いつのまにか美容整形に転用されたようです。
上にあげるのが得意!アイリフト、フェイスリフト
当院で顔に鍼をして、結果として美容鍼となった具体例を紹介します。
40代半ばの色白の女性の方が今年の2月終わりにいらっしゃいました。
仕事で朝から夜遅くまでパソコンに向かう生活、子育て真っ最中で家事も多いといった状況です。疲労感がひどく、首から肩、背中にかけてこってきて、たまに頭痛もある。目が痛い。腰も痛い。あごの調子も悪く顎関節症と言われている。便秘もひどいといったものでした。手足も冷えます。
一度の治療でなかなか効果があったようで「あれから帰りがけ、ライフで買い物をしているときに、最近落ちていると感じていた視力も回復して、まったく読めなくなっていた遠くの文字も少し見えるようになっているのに驚きました。肩も軽くなっていますし、おかげさまで仕事をしながら肩こりをどうしよう・・・という不安から解消されそうです。」というメールをいただきました。約1週間後、2回目の治療に見えられた時には目がぱっちりと大きくなっていました。美容整形的にいえば、アイリフト、垂れ下がっていたまぶたが上に引き上げられたのです。顔全体もむくみ感が消え、引き締まっていました。美容整形的にいえばフェイスリフトです。
2月終わりから3月いっぱい、週一回程度治療したところ、ほかの諸症状もきれいに取れていきました。
針灸の美容効果の中で一番効果があって、すぐに実感できるのは、アイリフト、フェイスリフトでしょう。針灸はゆるみをひきしめ、元気をつけ、上に上げるのが得意なのです。先日、アメリカ3大ネットワークの1つであるCBSニュースで、鍼灸によるフェイスリフト効果の高さが報道されたというのもうなずけます。
胃下垂を治すのも、垂れ下がったまぶたを上に引き上げるのも私にとっては同じようなものです。針灸の本には、じつは垂れ下がったまぶたを上に引き上げる治療法が昔から載っています。アンチエイジングは中医学からいうと、抗老延寿(こうろうえんじゅ)老化に抗し寿命を延ばす治療の応用編ということになります。
結(ゆい)もフェイスリフトやくすみをとる美容針灸をやっています。一般針灸治療に追加する形でやります。費用は2000円です。2010年5月
最近の美容エステ業界
2006年3月末にある研究会に講師として呼ばれて、東京に行きました。同じく講師として来られていた日本中医美容研究会の北川 毅氏にお会いして興味深いお話を聞くことができました。北川氏は日本での美容鍼の先駆者ともいえる方。10年ほど前から中医学関係のいろんな用事で、電話で話したりはしていたのですが、直接お会いするのは今回が初めてでした。
インナービューティ
最近 エステや美容業界でインナービューティ、内側からきれいになるということが注目されているというのです。東京ビックサイトで5月に開催されたビューティワールドジャパンというイベント。3日間で47000人が集まったという大イベントのメインプログラムとなったのは、北川氏の養生スパという施設で行っている「経絡と経穴にアプローチするフルボディ・トリートメント」というもの。つぼを使って全身の調整をしよう、そうして身体を健康にしながらきれいになっていこうという手技のようです。
エステの広告にも陰陽五行(いんようごぎょう)トリートメントとか中医学的針灸の親戚のような名前をつけた施術をみるご時世です。時代は変わったものです。
インナービューティとは養生をこころがけ、身体をすこやかに保ち、美しい肌、髪、体型を保っていこうというもの。髪や肌の手入れについては美容エステ業界のノウハウの蓄積はあるでしょうが、髪や肌の素地となる身体をすこやかに保つという面では針灸治療の方に圧倒的なノウハウの蓄積があります。顔への鍼はアイリフト、フェイスリフトのすぐれた効果があります。読者のみなさんは、得意分野の違いを知って上手に使い分けてくださいね。