中村さん(仮名)は30代の女性、PMS(月経前症候群)の治療をご希望で来院されたのですが、いつも肩がこる、会社に行くとおなかが痛くなる、ふらっとするという症状をおもちです。ふらっとするのは貧血のため仕方がないと自分ではおっしゃいます。
自分で原因を断定し、自分で納得されている患者さんは結構いらっしゃいます。
ふつうに治療するとたしかに身体は楽になるのですが、しばらくするとまた肩がこってきます。そこで思考鍼をしてみました。
思考鍼とは理由なき恐怖心や心的外傷(トラウマ)をなくす鍼灸のやり方です。あるツボに鍼をして一定の刺激をしている時に、恐怖の対象や過去の衝撃をうけた出来事を思い出してもらうやり方です。出社した自分の姿を鍼をしながら想像してもらいました。
おなかが痛くなりましたが、別のつぼに鍼をして腹痛をとりました。今度は出社を想像しても腹痛は出なくなりました。
しばらくして来院されたので症状をお聞きすると、会社に行くとおなかが痛くなる、ふらっとするという症状はなくなりついでに「いつも肩がこる」と言われていた肩こりもなくなっていました。おなかが痛くなるのは過度の緊張のためです。いつも緊張していると肩がこるのも当たり前です。思考鍼が過度に緊張する状態をリセットしてくれたのです。
治療終了後にアンケートをいただきました。
◆アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【2】である」との評価をいただき以下のコメントをいただきました。
◆コメント
朝 会社に行く時のめまい、貧血、胃の痛みが大分よくなりました。体調もじょじょによくなっていると思います。肩こりも楽になりました。
浅川(仮名)さんは40代初めの女性です。1日中、パソコンの前でデスクワークされています。肩がこって、そのうち頭まで痛くなる。頭が重いくてつらい。目が重く、目の奥も痛い。眠りが浅く、時々目が覚めてしまう。便秘もひどく3~7日に一度の割合でしか便通がないといった症状です。VDT症候群と診断されそうな症状です。
結(ゆい)でよく治療している肝欝気滞(かんうつきたい)タイプの患者さんです。
1回治療しただけで「治療前の苦痛を10とすれば今は2」2回目で「治療前の苦痛を10とすれば今は1」といった状態になりました。
週に1回で1ヶ月治療したら頭痛もおこらず、肩こりもあまり意識しなくなりました。便通も1~2日に1回となり便秘も治りました。
◆初回の治療後のアンケート
治療前の苦痛を10とすれば今は2
以前、大阪駅にある鍼灸に針とお灸に計12回程度通っていたのですが、その時は何となく良いのかな?とおもう程度だったのですが、ここは、とてもしっかりと針とお灸をしてくれ、初回の翌日は体がだるかったのですが、それ以降はとても体が楽でひどかった頭痛や目の奥、首、肩の調子が良いので、これからも通おうと思います。便秘の改善と女性ホルモンの改善希望。
◆2回の治療後のアンケート
治療前の苦痛を10とすれば今は1
頭痛、肩こり、目の痛みなどは2回目で苦痛を感じる痛みはおこらなくなりました。便秘は以前は3~7日に一度の割合だったのが今は2.5日に一度
2回の治療でよくなりました。頭痛、肩こり、目、首の痛み、イライラが今後もおこらない様にしたい。
自筆のアンケートは1回目と2回目のアンケートをいっしょに写しています。
まだ風邪やインフルエンザが流行っているようです。今回は風邪の発熱の後にひどく背中が痛んだ患者さんが治ったお話です。2014年4月17日掲載。
☆風邪の後の背中の痛みが1週間で消えました
村田さん(仮名)は40代後半の女性です。一週間前に風邪をひいて発熱、背中が痛くなりました。発熱はしばらくしておさまったものの背中の痛みはとれません。仰向けに寝て背中を圧迫すると痛いとのこと。横向けになってもらい、側臥位で治療しました。1日おきに2回治療したところ当初の痛みを10とすると3~4という状態に落ち着きました。その後もう一度治療すると10とすると0.5というところまで激減、治療開始から1週間がたっていました。4回で背中の痛みはなくなり治療を終了しました。この段階でアンケートをいただきました。
村田さんは持病の喘息もありその後も時々、治療を続けています。背中の痛みの治療中も息苦しさもありそちらもいっしょに治療していました。鍼灸は慢性的なものだけでなく急性の症状にも良く効きます。風邪の後に咳が続くような時もよくききます。
五十嵐(仮名)さんは十代後半の学生さん、中学2年の頃から生理が始まったのですが、1年に1~2回しかきません。3ヶ月治療したところ定期的に生理がくるようになりました。
アトピー性皮膚炎も小学校高学年からあり、頚や肩もこり、足がつりやすいそうです。こちらの方も肌がきれいになり、かゆみもなくなりました。「頚、肩のこり」が最初になくなり、次に足がつらなくなり、アトピー性皮膚炎がきれいになった後に生理がくるようになりました。五十嵐さんは中医学でいうと血虚(けっきょ)のタイプ、少しだけ気虚(ききょ)もありました。
中医学では「頚、肩のこり」「足がつる」「アトピー性皮膚炎」「無月経」を別の病気とは考えません。「頚、肩のこり」は気虚(ききょ)のために気のめぐりが悪くなったために起こっています。
足がつるのは筋肉にうまく気血(きけつ)が回っていないため、アトピー性皮膚炎は血虚のため皮膚の状態が悪くなったためです。血虚の肌はアトピーとは限りませんが、カサカサしてかゆみが出やすくなります。
無月経は血虚で栄養状態が悪くなっているためです。無月経という病気を治すというよりは、身体を元気にしていく中で自然と回復していくイメージです。
アンケートには「生理が毎月来るようになってとてもうれしいです。」と書かれていました。無月経の治療はホルモン療法、低用量ピルだけではないのです。鍼灸は本当に身体を治していきます。
※五十嵐さんの場合は血虚でしたが、無月経の原因は血虚ばかりではありません。
鍼灸は身体を活性化させます。鍼灸治療中に閉経したと思っていた生理が再び始まることもあります。これも一種の アンチエイジングでしょうか。体調はよくなっているので患者さんには喜ばれます。
じつは「原因不明の右胸の痛み、頭痛、目の奥の痛みもきれいになくなりました」で紹介した50代の女性、森田(仮名)さんの生理も復活しました。森田さんは8ヶ月続いた痛みが1ヶ月と少しの治療で治った後、1ヶ月お休みされました。右胸の痛みが少しだけ再発したため治療を再開。痛みは1回でなくなりましたが、その後は肩こり等の治療として週1回程度の治療を続けていらっしゃいました。そうしたところ8ヶ月ぶりに生理がきました。結に最初に来院されてから、約4ヶ月たっていました。
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